fc2ブログ

「西洋甲冑造りた〜い」って思うとき その4

 「西洋甲冑を造りた〜い」と思ったときに、何をしたらいいか、の簡単なお話「その4」だね。昔に三浦さんからもらったアドバイスを思い出しながら、何となく書いてみたので、これから西洋甲冑を作ってみたい人は参考にしてみてね。
(・ω・)ノ

三浦アドバイス、その4
『鉄板を磨いてごらん』
 鉄板を切って、鋲を打って留めて、革を扱うことを体験したら、ようやく鉄板だね。自分も鉄板を叩きたくて初めに喜んだけど、三浦さんからは「鉄板は磨きからだから、初めに磨きをやってごらん」って言われた。

 鉄板磨きなんてバカでもできるじゃん、と思ったけど、それは素人だから思うんだろうね。今思うと本当に身の程知らずのケツの青いド素人アホだなと思ってしまう。(笑)

 鉄板を叩いて西洋甲冑を造形しようとすると、仕上げるときに必然的に鉄板を磨かなくてはいけないことになる。だから鉄板をやる前に、最低限の磨きをできるようにしておかなければならないわけだ。別にあとでやってもいいんだけど「最後に仕上げができずに完成できないけどいいの?」みたいなことになる。

 鉄板を造形しても磨けなければ凸凹のガチャガチャのままで、見るからに鉄クズ姿になってしまう。そして磨きを無視して「そんなもの機械でやれば簡単」とかほざく人に限って機械で磨いても汚い。広い面ばかり磨いて、隅々まで一律に磨かない。いや、機械では隅々まで磨くのができないと言ったほうが良いでしょう。

 もちろん機械で隅々まで綺麗に磨く人も世界にはいるけど、それにはそれ専用の道具とコツを用いているので、それを気軽に真似するのはちょっと無理。磨きは磨きでプロが居るくらいだから、おいそれとサルマネでどうにかなるものではないのだ。

 そうしたことをトータルで考えると「まずは磨きを学ぼう!」ってアドバイスはとっても理にかなってる。私もアドバイスでこれを授かったし、それが必要だと理解したし、一度作業の体験をさせてもらったときもこの磨き作業一辺倒だったけど、振り返るとこれは良い体験と勉強だったなと思った。

↓以前に作った磨きサンプル
上段左から、ハンマー、粗、中、
下段左から、細、仕上げ、さらに油、の6種類
現在は機械を使うので必ずしもこの順番ではないけど、基本的な流れと変化はそう変わらないですね。
IMG_6551.jpg

 体験だけならそんなに難しくないから、未経験素人でも手磨きはやってみるのが良いと思う。鉄板を買ってきて金ハサミで適度なサイズにカットして、ハンマーでテキトーに叩いて湾曲を作ったら、それを磨いて西洋甲冑のような輝きが出るまで手で磨いてみるのが良いのです。
(・ω・)ノ

 手磨きだとサンドペーパーで「粗、中、細、仕上げ」と段階的に磨いていくけど、どのサンドペーパーが良いかは人それぞれなので、ホームセンターでさまざまな番号のサンドペーパーを購入してきて、体験してみて自分にあった番目で磨いてみるのが良いでしょう。私も三浦さんから教えてもらった番目はあるけど、何か合わないので自分で違う番号で磨いた。

 ハンマーで叩いて軽く湾曲させた鉄板が西洋甲冑みたいにピカピカになれば磨きはオッケだね。この作業がシンドイと思えたら機械を使っても良いと思う。もちろん機械で磨くと手磨きとは異なる番目になるから、また自分にあった番目を捜さなくてはいけない。

↓磨きをするためのマシンと消耗品、サンドペーパーなどなど
IMG_6556.jpg

 このときディスクグラインダーを購入したり、砥石ディスクをあれこれ買ったり、バフモーターを購入したり、磨きバフを購入したりと、機械へ進めば進むほど楽にはなるけど費用が洒落にならない金額でかさんで行くのが難点。しかも機械を使ったからといってすぐに綺麗に磨けるわけではなく、コツをつかむまでけっこうな時間を練習しないとまったく使いこなせない。
(´Д`;)

 安価なディスクグラインダーはたくさんあるけど、長期間使うと壊れるしウルサイし、ディスクは安価でないのに消耗品なのでたくさん購入しなければならない。バフモーターになると高額だから仕事でもないかぎり割が合わない。中途半端なパワーだとすぐに止まるので使えず、けっきょく業務用を買うことになる!
(業務用は下手をすると海外の安価な西洋甲冑が買えてしまう価格!)

 と、磨きひとつでもけっこう苦労させられてしまう。お金がないスタートは手作業で理屈を学ぶしかないし、手作業は安価だけどとにかく時間と体力がかかる。ほとんどの人はこの手作業磨きで見事に挫折すると言っても良い。下手な仕事よりよっぽど重労働だからね。

 このシンドさを回避するには機械化だ。しかし機械化はとにかく経費がかかる。どれほど楽で短時間でも、初期投資はけっこうかかり、慣れて来るたびにグレードを挙げて行くことになるのでパソコンのように金を食う。こんなに金と手間がかかるなら外注のほうが安くね?と思い始めるわけだ。専門で適正価格の磨き屋がいるってのはそんなことなんだろうね。

 こうした磨きを体験すると、時間とコストのバランスが見えてきて、そこに技術が反映されて労働単価が見えてくる。西洋甲冑を気軽に作って安価に売られていないのはそんなこことからも理解できる。手作業で機械でも、物を造ることに簡単なことはないってことがよ〜く解る。


 などと磨きのことだけでも学ぶことは山のごとく多いけど、あんまり先のことを考えちゃうと疲れるから、興味があるなら何事も体験から入ってみるのが良いでしょうね。「鉄板を叩くのもいいけど、磨きができるようになってからだね」といったお話でした。

 長くなったのでまずはここまで。





※文章画像の無断転載厳禁
スポンサーサイト



.22 2015 西洋甲冑を造りたい comment0 trackback0

comment

post comment

  • comment
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackback

trackbackURL:http://armourer.blog64.fc2.com/tb.php/422-770d8e67

プロフィール

マクシミリアン1世

Author:マクシミリアン1世