fc2ブログ

造りは鋲から 力加減

 しばしば「西洋甲冑を造りたーい!」なんて声を聞くんだけど、バイクを1台造るような物だから、造りたいと思ったからといってプラモデルのようにチョイチョイと造れる物じゃないんだなこれが。三浦さんも私も、志望者とたくさんあってきたけど、みなさんあまりに気軽に考えているケースがほとんどなので、もっと地味なところから学んで行こうよ!と思うのでした。こんな私でも、今からスタートラインについたところですよん。
(´Д`;)

 難しい話をしても面白くないので、今回は原点について取り上げてみようと思ったのでした。こういった物作りだとマニュアルで学べると思われるけど、昔の記録もいっさい残ってないし、伝統でもないから、結局自由にやってちょんまげ、になっちゃう。難しいことが嫌いな人は、難しいことを無視して、機械でも溶接でも使って好きなようにオレ様ファンタジー甲冑を造るのがいいと思うよ。

 作り方はさておき、西洋甲冑はその表面立体が甲冑ではなく、構造こそ西洋甲冑の真髄なので、表面の鉄板は最後にして、最初は基本的な構造を理解しなくちゃいけない。とは言え、長い歴史の中で複雑な進化と発達をした西洋甲冑は、そう簡単に理解できるものではないので、多くの人がワケワカメで挫折しちゃう。
(´・ω・`)


 そのような状況ではありますが、今回はまずは基本中の基本、一番基本のところの「鋲」についてちょっと説明してみようと思ったのでした。鉄板だの形だの、国だの時代だの考えても、結局のところ一番初めの鋲が理解されずできないと、それから先は何も前に進められない訳で、日本語で言うところの「あいうえお」を覚えましょう、と言った話になるんでございます。だから1にも2にも、まずは鋲を勉強しないといけないんですよ奥さん!

 ところで鋲と言っても様々な鋲の種類(造り)があるんだけど、これを具体的に説明するのはちょっと面倒。対面した人には説明したことあるし、マニアックな洋書にはたまに簡単に説明されているので、知っている人は知っているけど、普通では具体的に見ることができないので、鋲の種類や仕組みを理解するのはちょっと難しい。鋲の種類や構造は、本でも書く機会があれば具体的に説明するので、今回ここでは割愛ね。

 その代わり鋲の固定具合についてちょっと説明してみますです。この固定具合は比較的単純な話で、ひとつの鋲を固定する「力加減」のお話で〜す。鋲そのものの留める力によって、影響力を変えるってことですびょ。単なる鋲を留める工程だと思われているけど、力加減を細かく使い分けることで、その効果を使い分けているんでございますよ。

 この力加減(留め加減)はどれくらいと言った数値的なもので表現できないのでスゲーテキトー感覚。それでは伝わらないので、おおまかに弱、中、強、固定、の4種類くらいで理解してもらえると分かり易いと思うん。絶対値での数値ではなく、あくまでも全体の相対的なものとして考えてくれると解りやすいよん。

●鋲の留め方具合(相対的イメージ)
弱:鋲を軽く潰し、スカスカな状態で摩擦はほとんどなく、わりとガタガタ自由に動く。
中:鋲を適度に潰し、摩擦はあるけどスムーズに自由に動くちょうど良い具合。
強:鋲をキツく潰し、強い摩擦が生まれて力をかけると可動する。
固定:鋲を確実に潰し、まったく動かない、取れない状態。

 こんな感じで何となく弱中強にしてあるけど、実際にはもっと感覚的なことかな。このへんは文字や数字で表現できないので、やって感覚を知ってみてくださいな。文字では分かりにくいので、簡単なイラストでも載せときます。あくまでもイメージですよ。

IMG_2542.jpg

 このように鋲も潰し方、絞め方、留め方で具合がかなり変わるので、全身の各パーツと用途によって鋲の留め具合を各部それぞれ様々調節する。そうしないとキツくて動けないことや、ゆるくて暴れて鈑が噛んでしまうことがあるんだ。

 こうした鋲の「あそび」具合はとても大事で、ハンマーの使い方、部位ごとに必要な具合、などをそのつど考えながら決めて行くんだけど、それだけでも一つ一つに考えるからとっても楽しいよ。ゆるいのはキツくできるけど、キツいのはゆるくできないから、しっかり考えないとあとで焦る(笑)。
(;゜0゜)

 この鋲の留め具合は、ハンマーの叩き具合の極わずかな違いでも違いが大きく出るので、力任せに殴って留めたり、機械で一定に留めてしまうと、この微妙な具合が表現されず、インテリア甲冑のように動かない甲冑になってしまう。海外の安物などはこれらを省略していることが多く感じるなぁ。繊細な微長競って手間がかかるから、コストを考えると割が合わない気遣いなんだろうね。

 西洋甲冑はたくさん鋲があるけど、それぞれ各部の具合がいかに大切かが分かるのだ。口や文字ではなかなか説明できないから、造ってみたい人は、とにかく鋲の留め方でどれほど違いが出るか体験して楽しんでみてね。
☆^∇゜)





※文章画像の無断転載厳禁
スポンサーサイト



.11 2014 西洋甲冑を造りたい comment0 trackback0

comment

post comment

  • comment
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackback

trackbackURL:http://armourer.blog64.fc2.com/tb.php/373-c2d61f8a

プロフィール

マクシミリアン1世

Author:マクシミリアン1世