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古いゴーントリットの修繕 その3 錆取り

 細かいことは省略しているけど、初めの深い錆を取り除いたところ。ここまで錆が深いとバフとかクリームとか青棒では取れないので、やや削り落とし(グラインディング)に近かったかもしれない。いわゆる研ぎ減りの問題があるけど、まさにその通りで、あんまりムキにやると穴があいてしまったり、凹面になったりするので、力任せの削り作業でもなく、様子を見ながら少しずつ全体的に進めるのでした。

 昔の西洋甲冑でもこの問題は日常的だったらしくて、叩いて薄くなったところを無理に研いでしまうと、薄くなったり穴があいてしまうことはよくあって、このへんは叩く作り手と、磨きの外注の意思疎通の大切さがあるかと感じるところ。研ぐことは大切だけど、品物をダメにしてしまうのは独りよがりのアホなので、何のために?、どれ位を求めるか?を常に考えるのが、大切なんではないでしょうかね。

 ちなみに学術的に錆を除去するときは、ほとんどがサンドブラスタ(アルミ)で錆だけじっくり取るみたいですね。自分もサンドブラスタは欲しいけど、場所は食うし電気は食うし、個人では必要ないかなと思うところ。そもそも美術品修復家じゃないしね。

 修繕作業全体の半分はこの作業かもしれないので、手は抜かないし、疲れるけど時間をかけてじっくりとやり進めましたよん。ここさえしっかりできていれば、それ以降の仕上がりはそれより悪くならないので、面倒でもこうした基礎の部分ほど手を抜かないでやりたいね。ここで面倒だからと手を抜くと、あとでどんなに綺麗になってもボロが出るから面白い。1にも2にも、完成や工程を急ぐべからず!だね。
☆^∇゜)

IMG_1036.jpg

 こうして分解して細かく見て行くと、三浦さんがどのようなところに注意を払ったかも良く分かるし、どこで苦労したかも良く分かる。自分もゴーントリットを試作体験したから分かるけど、苦労するところは形が異なっても基本同じで、難しいところはやっぱり誰もが同じ苦労をするのだなと分かってとっても面白い。

 これは本物の西洋甲冑パーツを見ても同じで、昔の人も難しいところは同じで、うまく合わないところや、綺麗にできないところも同じで、自分の経験と重ねてそれらのパーツ詳細を見ると、昔の人もやっぱり同じことで苦労したんだなとわかってとても面白い。これが体験から学ぶ研究で、本を見るだけの読書研究とは大きく違うところです。

 こうしたことを少しずつ重ねて行くと、なぜその形にしたか?、低級品がナゼその部位を省略したか?、現代レプリカではなぜその部位が簡略されているか?、などの理由が良く分かるのでございます。ようは難しくて面倒なところは誰でも同じで、失敗したり時間がかかってコストが合わないことが理解できる。こういった感覚的なことは世界中の本を読みあさっても書いていないので、貴重な体験情報なのよ。

 そしてまた、まだ三浦さんが若い頃(と言ってもそれなりの年齢)の試行錯誤な試作品であることも良く分かる。まだ三次元の複雑な変形は少なく、できる限りシンプルな二次元カーブで構成しようとしている。鋲のあそび余裕もないし、足掻きもないし、本当に初期のイメージ知識で作ってあるのが良く分かる。なんか苦労していた、初期の自分を見ているようで感慨深いものですね。

 錆び落しが終わったら、次に参りましょう!
(゜∀゜)┘





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.06 2013 修理・改造作業 comment2 trackback0

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マクシミリアン1世
Pさん
こんにちは。情報ありがとうございます。
サンドブラスタも気軽に製作する人が多いですね。
錆び落しはほとんどが磨きなので、めったに使う機会のないサンドブラストは、置く場所が難しいなと思いました。あったらいいなと思う道具はたくさんあるのですが、結局ほとんど使わないので、あまり道具頼りしないようになりました。
2013.12.08 09:53
こんにちは。いつも楽しくブログ拝読しています。サンドブラスタは自作されてる方もいらっしゃいます。プラスチックのコンテナなどを使うので耐久性はありませんが、もし興味があれば「サンドブラスト 自作」で検索してみて下さい。ご存知でしたらすみません。
2013.12.07 07:28

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