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手甲造りに挑戦 その26 指小札の固定

さてここからは指の小札に入るよ。
単純作業だけど決して簡単ではない。
ちょっと難しいけど簡単に説明するね。

IMG_0082.jpg

上の画像は、左が一番初めの準備段階。そして右は指小札を留め終わったところ。途中の過程はないけど、特別なことはないので省略してます。

まず一番始めは、指先の爪の部分を固定。きちんと形とサイズを合わせて、小さい鋲で留める。ここまでは何もないので簡単。問題なのはそのあとの多数な小札のほう。先端の爪小札とナックルの位置は決まっている。だからその中間の距離は決まってしまうわけだよね。指の長さがある程度決まっているので、当たり前と言えば当たり前だ。

さてこの指の間につける小札だけど、中間の距離を小札の枚数で割れば、1枚当りの平均間隔が出るのは小学生でも分かるでしょう。割り算すれば、間隔を何ミリにするか単純に分かるのだけど、大きな問題はその次。その間隔のまま他の指にもやると、指の長さが変わるので、小札の大きさに対して1枚当りの平均間隔は変わってしまう。しかもそれは少なくても4本指あるので、それぞれ勝手に平均間隔で設定すると、指ごとに小札の間隔がチグハグになる。

これは言葉では分かりにくいし、そんなに変わるものか?、と思うかもしれないけど、1ミリでも気になると言えば気になるもの。だからこの小札の全体の平均間隔を何ミリにするかとても悩む。平均を優先すると、枚数が多いので誤差が広がり、どこかの指で小札が詰まってしまったり、不要になってしまうことがある。それを解消しようと均一にすると指が長くなってしまう。たぶんこれが一番難しい計算だったかもしれないね。

だからこそ指の長さと手袋の大きさを良く計算し、そこから可能性の高い指小札1枚の大きさを厳密に決めなければ行けないので、海外の安い手甲のように、テキトーに切って並べて着けました、だとだいたい指が長いパターンになってしまう。なぜなら短いと使えなくなるので、余裕を持って小札が1枚多くなっているケースが多い。または間隔がチグハグで汚いのとかね。

これはある程度考えていたけど、ここまで悩まされるとは思わなかった。以前に三浦さんから指小札の難しさを聞いていたけど、これがその難しさなのかと知ったところでございました。しかもこれほど計算したにもかかわらず、小札に空けた穴がぴったり正確に空けられないし、ぴったり合わせてあるのに、今度は革帯の穴がきっちりあけられないから、そうした微妙な誤差が積み重なって、なかなか計算通りにならないヤキモキさ。

いやはや、これ本当に難しいよ。
この指小札5本指分の、鉄板形成と磨きと穴あけと固定をきちんとやってくれたら、指だけでも下請けに万払っても良いと思うくらい面倒くさいし難しいと思う。中世後期の時代、騎士の装備が高価だったのはこうしてやってみると良く分かるよ。
(-_-;)

そんな四苦八苦格闘の末、上の右のように小札が留め終わるのです。目を凝らしてみると角度や間隔は完全ではないことが分かるけど、手に着けるとそういったことは全体に包まれて気にならなくなるから助かります。こうして指小札をとめたら、次はナックルに留めるんだけど、ここが最後の正念場で、1ミリにこれほど悩んだのも久しぶりでございました。

この手甲の構造は、補助ナックルを使った形式なので、この指小札の革ベルトを、まず補助ナックルに留めるでございます。こうしてやると分かるけど、ここまで使う鋲の量と、固定方法の種類はけっこうあるので、どれか一つでも欠けるときちんとした手甲にはならないでございますよ。よく安い海外の手甲は、滅茶苦茶な強引な固定方法が多くて、危ないとか、痛いとか、理解に苦しむ品物が多いのでございます。でも結局のところ面倒くさいからコストに合わないんでしょうね。

IMG_0088.jpg

ちょっと飛ばしてあるけど、上の画像は指小札の革を補助ナックルに着けたところね。左は4本指と親指を全て留めたところで、この段階で指は全て止まったことになり、いわゆるここまでが指になるのね。右の黒いのは裏側でございます。表では小札しか見えないけど、裏からはたくさんの鋲跡が見えるよね。

構造としては小札を革に留めただけの単純構造で何のメカニズムもないから、単純と言えば単純です。だけど簡単かどうかは何とも言えないところ。自分で手甲を造ってみたい人は、手甲は別にして、まずはこの5本指だけでも造ってみるのはどうでしょうか?





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.10 2013 手の手甲 comment0 trackback0

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