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手甲造りに挑戦 その5 袖口の長さ

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このへんは難しくないので簡単に参りましょう。
甲の連結が終わったら、袖口の連結に行きま〜す。
このへんは具体的に書いても文字ではチンプンカンプンなので、目で分かるところだけ簡単に書きますよ。

必要な部分に合わせ、袖口にカットする部分の線を引く。

こうして見ると分かるけど、手の甲が連結されると、全体の全長が分かるよね。そこで自分が必要としている長さを決めれば、袖口の長さが自動的に決まる訳。最終的な設計図がないから、はじめはこうして長いものをカットして必要な長さを求めるしかないのよ。
(-_-;)


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マジックで印を付けた部分をカットしました!

これによって手甲全体の長さがおおまかに決まることと、前腕当の長さに対しての比率も分かるのね。例えば、袖口が長くて大きい方がかっこいいからと、袖口をやたらに長くした場合、肘当にぶつかってしまうことはよくある話で、これはよく説明に上げている「他のパーツとの干渉」の問題になってくるので、希望はあとに置いといて、実用的な長さにするのが理想的。

反対に短いと、腕鎧の裾が出てしまうなど、意外と長さを決めるのは難しい。こういうことが分かると、他のパーツを考えないで造ることが、いかに簡単かと言うことも、やってみるとよ〜く分かるのです。それだけ考えても他パーツとあちこち干渉して問題が発生するのだから、全身西洋甲冑を造っていた昔の甲冑師は、本当に良く考えていたなと関心しちゃうよ。

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長さが決まったので、袖口に湾曲(反り)をつける。

文章で書くとこれだけだね。でももしかすると、今回の作業で一番苦労して難しいと思ったのは、この袖口の湾曲かもしれないな。なかなか思った形にならないし、曲げれば曲げるほど輪が開いてしまうので、それをキープするのが非常に苦労した。

で、あまりに苦労したので辞めれば良かったと思ったけど、昔の手甲を良く観察してみると、この難しい作業をうまく回避するようにできていて、なるほどね〜と深く感心してしまった。昔の人はかなり合理的です。このため現代で複製する時は、みんなできないで面倒くさがるので、溶接でパパッとやってしまうのでそりゃ簡単だわ、と思ったよ。溶接はハンマー技術を使わないペーパークラフトだからね。

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左右二つの袖口を造りますよ!

ある程度の形になったら、こうして当てて形とバランスを何度も確認。一つ造るのは簡単だけど、左右で二つの形は、やっぱりとんでもなく難しいなと思う。この作業が全体の中ではもっとも大変で時間がかかったところかもしれないな〜。

こうして見ると、そんなに何時間も苦労するわりには目立って反っていないよね。じゃーそんなことしなくてもいいじゃん! と思えてくるけど、確かにそうかもしれない。この苦労はあまりに割が合わないのだ。だから安い手甲は鉄板切って丸めただけなんだなと言うことも分かる。でもね、このわずかな反りがあるかないかで、仕上がりが何倍も立派に見えるんだよ。たった5ミリでも10ミリでも、西洋甲冑の湾曲は大事なのです!





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.05 2013 手の手甲 comment0 trackback0

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