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アメリカ:ヒギンズ・アーマリー博物館へ その5

さてさて、普通には入ることのできない保管庫です。

どうしてここまで高待遇を受けたかは良く解らないけど、とにかく案内してくれましたのよ。収蔵庫には博物館らしい移動式のレール棚がいくつもあり、その一部には大量の武器が並んでおりました。レール棚は閉じていると中が見れないけど、いくつか代表的なところを空けてみせてくれたよ。そんなに長い時間ではなかったけど、剣も持たせてくれたし、様々な剣を見せてくれるなど、ありがたい時間をいただきました。
ヽ( ´¬`)ノ

写真はたくさん撮ったけど紹介しきれないので2〜3様子の分かるものでも上げてみますね。品の多さが伝わらないのが残念だな〜。

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上は各種様々な西洋剣ね。中世からルネサンス期、近世、はては東のサーベルなど、ありとあらゆる剣がここに保管されてました。収蔵庫に入った時の画像に映っていたけど、テーブルにも剣がたくさん並んでいた。見た感じ様々な時代の剣があったから、イベントなどで剣の種類を紹介するために最近使ったのかなと思った。

上の画像を見て気がつくのは、剣先が上を向いていること。現代だと危ないとか思いそうだけど、倉庫は元々人が入る場所じゃないし、剣鞘がないから、こうしておかないと剣先が痛む危険性があるんだよね。このへんは保存優先になっているなと思いましたね。
なぜ日本刀のように鞘がないのか? なぜ剣ばかりなのか? それに気がついた人はナイス観察力だね。どこに行っても剣の鞘がないことは言われないと気がつかない。理由が分かるとナルホド!と思うけどね。

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上の画像は、同じくラックに立てかけられている、各種様々なポールウェポン(長柄武器)でした。これはかなりの数があってビックリした。これだけ数が多すぎると、展示しきれないんだなと思うと、もったいないなと思うのでした。眠っているなら売ってくれと思うのだが、それ以前に日本に持ち込めない畜生でした。
(・ε・)

私が分析した感じでは、比較的16世紀後期からそれ以降のものが多い気がした。それだけ形や飾りがいいものが多いのと、数が多く造られたので比較的多く残っていると言うことなのでしょうね。長柄武器は一般に日本の槍と比較されやすいけど、ちょっとイメージが違うのね。多くの長さは220〜240cmくらいの長さで、穂先はたぶんイメージよりずっと大きいです。穂先金具だけで見ると、腕一本くらいの大きさがあるのは普通で、これを顔に向かって振り回されるとかなり恐怖感を感じるようになってます。だから想像だけではなく現物見学はとっても大切なのです。

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上の画像はちょっと分かりにくいけど、収蔵用のレール棚。ホコリ避けにビニールに包まれているので、パッと見では何だか良く分からんです。近寄って覗くと兜や肩当など、各種パーツや、貴重な武器などが入っていてビックリでしたよん。倉庫なのであまり具体的に説明できないけど、とにかくすごいところです。

こうした博物館では、このような収蔵庫の甲冑武器を修理保全をしながら調査を進める、たいへん地味なことが行われていて、上層階の一般展示場は、それら修繕などが終わったもので、長い期間をかけて修繕と展示替えを繰り返していきます。そんなことをしているとすぐ20年くらい経って一周する頃には情報が古くなってしまうので、再びメンテナンスや展示変更が繰り返されるのね。

だからどの博物館でもそうだけど、展示場の方が西洋甲冑武器の数は少ないのが大半かな。イギリスに行った時もそうだったし、話に聞いてもそうだった。倉庫に眠っている品物の方がすごかったりするんだよね。フランスの軍事博物館なんて展示式倉庫になってるけど、初めて見るとビックリしてひっくり返るよ。(笑)

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上の胸当は、良い品だと出して見せてくれたものね。この胸当を見てどの時代だか分かるかな? これは1530〜1540年頃のドイツ様式の胸当だよ。おそらく傭兵用のものだけど、ヘリ飾りが凝っているからけっこう良い品だと思う。ただえらくピカピカしているのは現代のミラーバフを掛けたからで、当時はこんなに光っていなかったはずだ。

「これはモダンポリッシングですね」と言ってみたら「そう、これは現代の磨きで輝き過ぎだね」と答えてくれた。昔の磨きと現代の磨きは質が違うので、よく見るとわかるけど、こうなるともう学術的観察になっちゃうね。こうしたことがもっとじっくり意見交換できたらいいな〜と思うのでした。

下の画像は胸当の裏側ね。私からすると表の美しさや細工より、こちらの裏の方が何倍も興味あるし価値があるのだ。よく観察して写真を良く撮ってもらいました。こういったものは確かに一人では情報も作業も限界がるので、二人だったことは非常に効率が良いなと思ったのでした。

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ちなみにこの胸当はかなり小さいです。傭兵用と想像するところはそんなところでもあって、傭兵用は総じて皆サイズが小さいです。このサイズだと私は身につけることは不可能で、おそらく日本のSサイズだと思うよ。甲冑は見た目はデカくても、着られるサイズは意外と大きくないのです。服で言うところの、見た目よりワンサイズ下だと思ってちょうどいいです。

そして小さいからと侮るなかれ。こいつは小さくてもけっこう重いです。この時代の西洋甲冑は、対銃に進化し始めたので、胸当の装甲はぐっと厚くなって重くなってます。具体的に計っていないけど、手の感覚でも4kgくらいに感じた。Sサイズでこの重さだから、MサイズやLサイズになるともっと重いことになるね。

こうして胸当が重たく丈夫になっていくことで、甲冑の他のパーツはどんどん省略して総重量が増えないようになったのは良く分かる。そして胸当は熱鍛造で造られているのも、このハンマー痕を見ると良く分かるのだ。いやはや、この胸当はよくできていましたよ。眼福。
(*´∀`*)





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.25 2012 海外旅行記 comment0 trackback0

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