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腕鎧を造ったぞ その9 余分を切る

さ〜て、来週のサザエさんは?

腕全体が形ついたら、ここからサイズを詰めて行くのだ。
下の画像は、細かくサイズを測って不要な部分をカットするために当たり線を付けたところ。不要部分をカットするのは極普通なこと。はじめからぴったりサイズで造るなど、ベテランでも不可能なので、かならず余分ができる。問題はその余分がいかに少ないで済むか?、がベテランとビギナーの差になるんだろうね。あと想像力かな。

西洋甲冑を考える場合、鉄板の面積が大きければ大きいほど良いのは分かる。だからなるべく切り落とさず面積を残したいが、そうすると干渉部分が多くなるので、今度は可動に問題が生じてくる。でも可動具合を優先すると鉄板部分はできる限り少ない方が良いことになる。ここに西洋甲冑の大きな矛盾があって、当時の甲冑師たちもその矛盾克服に知恵を絞り、莫大な金銭と時間をかけて、西洋甲冑は発展進歩しているのだ。

つまり、形や防御力は理想だが、現実と可動性を犠牲にせず、どこまで希望と能力を引き出せるか?という一点にのみ思考を集中させて余分をカットする範囲を決めるのね。繊細なところでは1cmどころか、数mmまで慎重に考えてカットしなければいけないし、可動具合についてはヤスリを少し掛けるか掛けないかで具合が変わるので深く悩んでしまう。

そんなことを考えながら、何度も腕にはめたり動かしたりで、余分な面積と形を導きだしていくん。これが「オレ様デザイン」で造ると一発でアウトになるから、嘘だと思うならそれをやってみよう。

P1130464.jpg

赤いマジックで印を入れたところが不要部分ね。
上腕から肘の内側、そして手首の周りなどがその部分だ。そして厄介なのが、単純にカットするだけではなく、縁を折り返すことを想定して、その分の余白も残しておかないといけないと言うこと。折り返しはそのつど幅が変わるので、折り返す幅もあらかじめ決めて、そこから逆算して余白を残すことが必要なのだ。

鉄板は一度切ってしまうともとに戻せないので、カットするときはかなり神経質に、綿密に計算しないとダメだよ。とりあえず、とか、テキトー、なんかでは絶対できないのです。難しいのは分かっているけど、考えれば考えるほど良い西洋甲冑になるから、ここは技術ではなく、想像力として自分との勝負だと思う。
(・ω・)ノ

P1130503.jpg

カットが終わったところ。
文字で書くと1行だね。(笑)
カットすると言ってもハサミでバサバサ切れる訳ではないので、あれこれ工夫してカットします。もちろん鉄板も厚いし、叩いて堅くなってるし、湾曲してカットしにくいことこの上ないぞな。そしてカットするとカット面が変形してギザギザになるので、それも綺麗に整えましょう。気に入らなければ整えた後でもガンガンカットしましょう。

ここでしっかりと形が整えられると、全体のサイズや形が決まる。ここまで来るとおおむね中間地点通過だと思うよ。これ以降はピンポイントで加工や調整をするので、これ以降は大きな改良が難しくなる。だから通過点かもしれないけど、しっかりじっくり確認と仕上げをしておくことがとっても大切。

ここまでが大きな大きな折り返し地点でございます。
(´・ω・`)





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.23 2012 腕の腕鎧 comment0 trackback0

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