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脚鎧を作ってみました その30 余分カット

はい。余分をぶった切ったところね。
いやはや、叩いて固くなった鉄板を、長く切るのはたいへんですな。切削ディスクがあれよあれよとなくなってしまいますよ。これだけでも元の鉄板より固くなっていることがよく分かるのだ。その切り落とし作業が左右にあって、それが左右脚にあるから4カットになるよ。鉄粉がすごいので終わったあとがすごい。なんか鉄工所みたいだなと思ったよ。こうなると革エプロンや革手袋は大切だなとつくづく思うのでしたー。
(´~`;)

こうして必要な形が残ると、なんとなく人の脚の形に見えるなーと思うところ。形はこれでおしまいと思うけど、こんどはこのサイズから再び形を膨らませて行くのじゃー。余分なヘリがなくなったおかげで、板金はやりやすくなり、いっそう脚の形にしやすくなるので、ここからもっと丁寧に形成をするのでした。

油絵の具の絵画ではないけど、造形には終わりがなく、やればやるほど形が良くなったり、誇張することができるので、良い形ほどたくさんの時間がかかるという単純な方程式なんだけど、そんなことをする人はこの時代では生きていかれない。海外で安く作られている物の多くは、機械であっさり曲げてしまったり、半分ずつテキトーに形成して溶接でくっつけてしまうなどの省略方法が取られるのも自然なことなのでした。良い脛当や、安い海外の国でも脛当だけはなぜか割高感を感じるのはそんなところなのね。

P1100879.jpg

さーてこれからが本番。小さな微調整をし、良い形に持って行かれるかの勝負。作業というのはどんなことでも「粗、中、細」の段階があるのはお分かりでしょう。ハンマーでもヤスリでも段階があるように、ようやく「粗」が終わったところ。
よくすべての行程が同じレベルだと思っている素人さんがいるけど、日本刀だって最初の作業は「鉄に命を吹き込む」と言われるほど大事だけど、それでも熱とパワーが勝負。そのあとは繊細に微調整する「中」の作業があり、そのあとに研いだり仕上げる「細」の作業があり、「粗」のパワーと感覚で「細」の作業はできないやね。

鉄板も同じで、荒中細でパワーと感覚が異なるので、そのスイッチを切り替えることがとっても大事。パワーだけで西洋甲冑が作れると思っているのは大間違いで、彫金のような繊細な力でも西洋甲冑はできない。三浦さんも言っていたけど、力加減と注意力の幅がかなりあるので、その幅が大きければ大きいほどいろいろなことができる、なんて語っていましたが、これはやってみると分かる。

もちろん昔の人の西洋甲冑製作は分業だったから、その仕事にあった体力と感覚があれば良い仕事ができたでしょう。だけど現代日本では分業もできないし、外注もないから、すべてのパワーと要素が独りに集中してしまうわけで、できないことは、できない、で終わってしまう。

例えば自分は、兜や胸当のような、固くて難しい形成はできない。そこまでパワーも感覚もないし、経験もないので、未知の世界になっている。言い換えれば、自分がどこまでのエリアを独りでこなせるかと自己分析すれば、自分が作れる物も自ずと見えて来る訳で、それが成功と失敗の大きな差になる。それが分からないと、やってみたいことに挑戦しても技量が追いつかずすべて失敗し、すべてが挫折になって辞めてしまう。

できることからやる。自分ができるできることを知る。
三浦さんのアドバイスは素晴らしいと思うよ。





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.06 2012 脚の脚鎧 comment0 trackback0

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