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胴鎧を作ってみる その26 感想

最後なので簡単に全体を振り返ってみますね。
胴鎧を作ったのは結構前なので記憶は曖昧だけど。(笑)


前回のところでも書いてあるけど、作ったものは基本的に手元に残らないから、あとから修正したいとか、振り返りたいとかはできない。そうかとて終わった途端に気持ちが消えてしまうのは不思議なところで、後からどうこうしたいと思わないのも面白い感覚。作ることが目的なんだなと自分でも思う。
(・ω・)ノ

ちょっと脱線したけど、胴鎧を振り返って。
今回の胴鎧もオリジナルデザイン。歴史西洋甲冑の復元ではないのだ。でも限りなく実際の構造を応用しているから、構造的にはホンモノに近いかな。(笑) 今回ももちろん設計図も図面もないし、コピーサンプルもない。前例もないし経験もないところで製作する、初めての胴鎧制作となりました。毎回新たな敵と遭遇して、もうダメだ!と思うけど、ひたすら考えて逃げないことを繰り返して何とかここまでたどり着いた感じ。振り返ると自分でもよくやったなと笑ってしまう。(笑)

今回の作業を一言で表現すると「面積と合わせ術」に尽きる。
この「面積」は言葉の通りそれまでの前2品に比べて格段にサイズが大きくて面積があること。これはつまり、手で持てる範囲の中、手に持って観察できる範囲ではないこと。だから小さい視点でやっていると全体が把握できなくなるから、形になってくると何度も何度も数メートルほど離れてシルエットを観察することを繰り返す。これがけっこう手間と時間がかかり、進行を妨げる。(;´д`)

日本の美的感覚だと覗き込んで細工の出来具合を吉とするけど、西洋の場合は離れてバランスが取れているかどうかのシルエットを最も重要視するから、手で持って眺めず、人から見られるように意識してシルエットを重視した美観になるわけなのだ。

パーツの面積が一番大きいので自動的に(無意識に)目が行くところだし、人間が身につける部分なので、見た目が大事なこと以上に着心地が良いとか、機能性が劣ってはいけないなどのハードルもほかのパーツより高いので、あまり注目されないかもしれないけど、かなり仕上がりには神経を使う。
胴鎧がカッコ良ければ、単品装着それだけでもカッコイイからね。(笑)

面積が広いと鉄板の歪みも大きくなるので、予想外の問題も起きる。
やっぱり面積が大きいのは独特の難しさがある、新しい勉強でした。


そして一番苦労させられたのが面積による磨きの苦労。
こいつはマジで死ぬんじゃないかと思うほどキツカッタ拷問。
2週間くらいずっと削りとるようにグシグシ研ぎ磨いたからね。
さすがにこれが終わったあとは「マッチョになったね」と笑われた。(笑)

一気に進めるのは、感覚が残っているので気分が乗って進めてしまうこともあるけど、本質なところでは、鉄材は磨いてしまうとそのまま放置できず、あっという間に1日でさびてしまうので、それで台無しにならないように、間髪入れずに一つづつ一気に仕上げてしまうのが絶対条件。「あとで漆を塗るから~」などと呑気なことは一切ないのだ。もちろん錆びるだけでなく、漆でごまかしが出来ないから、鉄板をハンマーで叩いたボコボコの表面をツルツルに研ぎ磨くのはとってもとっても大切。

この非常すぎるしんどさに、これ以後に簡易機械を購入したわけだ。中世末期・ルネサンス時代も「手磨き+水車機械磨き」をしていたので、良く考えると単純機械を導入しても昔と同じなんだよね。でもこうして限界の厳しさを最初に体験しておくのは本当に良いことだと思う。最初から機械では、できない部分はできないと逃げちゃうからね。


他には胸の足掻きと段差部分の勉強かな。
作業中のところでも書いているけど、この足掻きを設けることの面倒くささは冗談ではないくらい面倒くさくて、何度途中で辞めて固定してしまおうと思ったことか。(笑)
でも諦めないで「どうしたらできる?」をひたすら考える。
このため「原因と結果」の深い予想練習になりました。
(;´д⊂ヽ

この足掻きも、本来はぴったりくっついていればもっと楽だったんだけど「段差には隙間が欲しい」との希望だったので、わざと1~2ミリていどの隙間を均一に残さなければならず、これがかえってやりにくい難しい作りとなってしまったわけで、デザインがいかに造りと構造を邪魔するかがよく学べた。でもこれはこれで非常に良い経験と勉強になったどす。もうオリジナルデザインは作らないぞ。(笑)


他は文中でも何度か書いている、胸当と背当の側面の合わせの苦労かな。ここは予想外に難しくかなり時間を取られたけど、時間を掛けた分だけとても具合のよい感じになって気持ち良い。違和感なく、スコッってハマるのよね。(*´∀`*)

単純に鈑金術で一番苦労したのは腰のくびれパーツ。
これも文中で触れているけど、本当に「さすがにこれは無理だ!」と思ったかな。しかもそれが前後で2個使うわけだから、1個目ができないときは久しぶりに油汗がでますた。結果的に出来たから「窮すれば通ずる」だけど、もう一度やってみようかと言われれば、イヤだと答えるよ。(笑)


総合して考えると、足らぬ頭をフル活用すれば、どんなこともある程度のお金と大量の時間をかければ、だいたいのことはできるなと思えたことは、良い意味での自信になりました。それで反対に気がつくことは、時間が確保できないと西洋甲冑は難しいなと、今まで以上に思ったかも。なぜなら、毎日1時間とか少ない時間ではできないことが多く、いかにまとまった時間を確保して集中できるか?に掛かっている。ウルサイ作業も多いので夜にもできず、趣味や暇つぶしではまずできないとつくづく思うのだった。

しかし作業は作るたびに飛躍的に技術が向上しているので、今後もへこたれずに頑張って進めてみたいと思いまっす!まずはひとまずお疲れ様~。
ヽ( ´¬`)ノ

091105_154413.jpg

実質作業:約137時間(胸当&背当)
重量:胸当/約2.5kg、背当/約1.8kg、合計/約4.3kg
材質:鉄1.2mm,1.0mm

実際には失敗や修正、アイデア構想、型紙などの準備にかなりの時間を使っているので、もっと多くの時間を費やしている。たぶん下準備とかまで含めれば、プラス30時間以上かなと思う。1日8時間で・・・とか計算した人は最も的外れな計算なので残念。
ヽ( ´¬`)ノ





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.06 2011 胴の胴鎧 comment0 trackback0

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