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脛当を造るぞ その15 最後に感想

つづき


 すべての作業が終わったので最後に感想などをまとめて終わりにするよん。
(・ω・)ノ

 「やっと終わった〜!」が正直な感想ですね。毎日をフルタイムで作業したわけじゃないけど、トータルで数ヶ月かかってしまった。頭の中では連続でのんびり2ヶ月くらいと思ったけど、初めと設定が変わったり、途中で腿当も改造しなければいけないことになったりなどが結構時間か借りましたね。
(;´・ω・)

 金属で人の体を包むことの難しさと、足首回り、膝の位置などはスゲ〜シビアなので、テキトーなサイズにすると骨が当たってゲームオーバーになっちゃう。だから骨が出ている足首回りはミリ単位で設定しなければならず、造形とは別に「位置を合わせる」「骨の形に合わせる」ってことが一番難しかったと思う。

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 鎧作業でも何でも、条件が少なければそんなに難しくないけど、希望が増えれば増えるほど掛け算として難度が上がって行く。前にも書いたと思うけど、条件と難度は足し算ではなく掛け算に上がって行くナリ。単なるなんちゃってオレ様脛当を作って喜ぶのではなく、様々な条件を何一つ問題なくクリアしなきゃならない。
(;´ω`)

 ただ作るだけから始まり、他人の脛の形にフィットさせる。前だけでなく前後のフル脛当で作る。フル脛当で前後が綺麗に隙間なく合わさる。形だけでなく仕上がりも綺麗にする。創作ではなく歴史的な形で造作する。腿当と連結して動かせる。鉄靴と合わせて自由に動くことができる。脚全体として身につけて自由に活動することができる。そして全体で見栄え良く作る。
(強度は材質の問題なので今回の条件にナシ)

 と、こんな感じで条件が厳しくなるん。そんなアホな!と思われるけど、これはやった者だけが解る。脛で苦労している海外の西洋甲冑師は多いし、脛の出来具合、脛のパーツの省略具合で甲冑師の腕前が解るほど。

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 フル脛当が綺麗にできると、あらゆる難しい要素が勉強できると三浦さんから教わったけど、その通りな気がする。だから今回作ってない腿当や鉄靴でも、技術的には難度は下がることになり「脛当に比べると簡単だよ」と思えるようになる。といってもパーツの構造知識は学ばないと身につかないけどね。

 資料探しであれこれ脛当を見て回ったけど、こんなに凹凸の激しい強弱のきつい脛当は見たことがない。イベントでそれっぽい太い脛当を着用している人もいるけど、脚の太い人は鉄靴が無いかシンプルなので、裾が極端に広がることはない。つまり今回のような上が太くて中が細くて、そしてまた裾がが太いなんてめちゃくちゃ難しい脛当を作る人はほとんど居ねーってことになっちゃいました。手間がかかるからみんな裾を広げないんだなと終わってから気づいたよ。
(´~`;)

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 頂くことになったお代も、けっきょく資料や道具にすべて消えてしまうので、まったく利益にならない。よほどのバカでもなければこんなことするやつはマズいないかも。しか〜し、だからこそ終わってみると味わったことのない達成感があるのも事実。三浦さんが語る「超えられそうもない高い壁を乗り越えてごらん。クリアしたらものすごく成長するから」は真髄だと思う。

 課題を出した三浦さん本人も、終わってから「君がきちんと完成させられるか心配だった。だけど仕上がった作品を見せてもらって君を信じて間違いはなかったと思ったよ。想像していた作品よりずっと良い作品を仕上げて来たので驚いた。」と予想を超えた作品を作ったとすごい褒めてくれた。嬉しいですね♫

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 そんなことを思いながら「初めて造った歴史的西洋甲冑パーツは、もっとも難しい西洋甲冑パーツだった」、と冗談のような作業は以上でおしまいで〜す。いま振り返っても「始めてトライして、よくこんなもの使ったなバカじゃね〜の♪」と思ってる(笑)。

 知らない人から生意気だのコイツだの長年言われて来ましたが、ここまで達成すればそんな言葉も笑い飛ばせるようになりましたでございます。
☆^∇゜)

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 しかし今回の経験作業は基礎勉強のゴールとして、すべてのスタートでしかない。自分はやっと小学校1年生に上がれたところだから、これからもっと上を目指し続け、格上の人を目指し憧れ頑張っていこうと思いますですのん。

 さて、ここまでで西洋甲冑師の基礎練習は修了。
西洋甲冑師の称号はまだまだ先じゃ。


 以上で感想と報告終了。
 なんだかまとまりない内容になったけど、最後まで読んでくれた人ありがとうございました。
ヽ( ´¬`)ノ

 おしまい


参考資料

実質作業:約330時間
重量:約1.0kg(片方)
材質:低炭素鋼、1.2mm、1.0mm

※腿当と鉄靴は既存の製品(中古)

腿当
改造時間:約30時間
重量:約2.5kg(片方)
材質:低炭素鋼、約1.25mm(アメリカ規格)

鉄靴
改造時間:約10時間
重量:約0.85kg(片方)
材質:低炭素鋼、約1.25mm(アメリカ規格)





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.02 2016 新しく造る comment2 trackback0

脛当を造るぞ その14 組立完成

つづき

 それでは最後に組立てしましょう!
(´▽`)ノ

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↑ここまで来るとすべてが準備されているから、ミスのないようにゆっくり進めるだけ。金具もベルトも作られて左右が分けて準備されてるから、それらを組立前に取付けるのね。市販されてる完成品甲冑パーツを買うと、あとから金具やベルトを付けるのが一般だけど、完成品は取り回しが悪いのでやりにくく、非常に作業効率が悪い。金具やベルトは全体組立の一番初めが良いよ。

 それに完成パーツを触りながら金具やベルトを作ると、パーツをベタベタ触ることになって、後で錆が浮いて来ることがあるのだ。汗がついたり、ツルツルだから落としたり、金具のこすれ傷がついたりなど、せっかく綺麗にしたパーツを痛めることがあるので、金具やベルトは磨く前にやっておくのが良い、といつも思う。

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↑ほんでもって金具とベルトをすべて付けたところ。ここまではそんなに難しくないので誰でもさらっとできますね。作業としては簡単なんだけど、ワックスを塗っている丸い形はツルツルしてよく滑る。だから落としやすいので気をつけないといけない。ここまで綺麗にして落として傷つけると悔しいからね。

 そんわけで、最後の鋲を留めて完成!やっとでき上がりました!
 バンザーイ!
ヽ( ´¬`)ノ

 しかしこうして完成しても、完成するとわずかに当たるところとかある。ほんのわずかだけどガッガッってなるのが不愉快なので、完成しても当たったりこすれるところはヤスリをかけて丸くしたりちょっと削る。これをすることで全体が滑らかになって生もののようになる。

 手間をかければかけるほど時間とコストはかかるんだけど、逆に言えば手間と時間をかけるほど品質が上がると思ってる。時間と手間をかけてもたいして変わらないのは技術的にそこが限界ってこと。「どんなことも手間と時間をかければ良くなる。現代ではコストを先に計算するから時間と手間をかけることができない」って三浦さんの話になるんだね。

 長い時間と手間がかかったけど、ようやく脛当作業が終わりました〜。最後に記録撮影をして作業はおしまい。人様の手に品が渡ると使用されてあっという間に傷がついて錆びてくる。だからこのようなピカピカな仕上がりの状態はこの時しかないんだよね。自分で使うわけではないから分からないけど、凹ますのも傷がつくのも錆びるのも、持ち主の問題でございます。
 
 ひとまず作業はここですべて終了。最後に感想を述べてこの作業をすべておしまいにしようと思いまふ。

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つづく





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.26 2016 新しく造る comment8 trackback0

脛当を造るぞ その13 仕上げに磨く

つづき
 
 前後左右の研ぎがすべて終わったら、後は普通の磨きね。

 磨き作業は仕上げみたいなもんだし、以前にも難度もブログに上げてるからテキトーに書いておくよ。別にこれは誰でも簡単にできるからコツとかそんなの関係ないんだよね。ようはゆっくり隅々まで丁寧にできるか?それだけだと思う。

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↑研ぎでザラザラになった表面を、まずは粗磨きで綺麗に均しますん。研ぎと同じで、粗いときほど丁寧に時間をかけた方が綺麗になる。でここでザラザラが残るとあとで修正できないし汚く見えるので、粗いほど丁寧に。

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↑粗磨きを良くしたら、今度は綺麗に中磨き。そんなに研いだら研ぎ減りしちまう、なんて言われそうだけど、物理的には研ぎ減りで平らにしてんだよん。だから昔の西洋甲冑を見ても、裏面はハンマー痕でボコボコなのに、表面はツルッとピカピカ。研ぎすぎて穴空けちゃうことはよくあるけど、基本は研いで滑らかにしてる。だから初めの鉄板は余分な厚みがあって、最後に研ぎ減りしてちょうど良い。

IMG_7455_20151110141107f20.jpg
↑次は細磨き。磨きやってる人なら分かるでしょうけど、磨きは磨きじゃなくて、前に付けた傷を消す作業。段々と小さいキズに下げて行き、結果的に人の目で分からないほどの小さいキズで均一にする。あんまり磨きすぎると鏡面になっちゃうけど、ようは外から見て凸凹してキズだらけでないことが分かればオッケなのね。

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↑これは仕上げ磨き。ザラザラな塗装用のコンパウンドで磨き上げるんだけど、個人的にはこれくらいでいいのかなと思う。あんまり極端に磨いてしまうと鏡面がウネウネ光るので、それが気にならないくらいが良い。でも今回は脚鎧全体を統一するので、もう一段階磨く。

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↑さすがにこれはやり過ぎな感じだよね。放っておけば勝手に錆びて曇ってくるから、初めはこれくらいでもいいかもしれないけど、ピカピカだとクロムメッキみたいで不自然だから個人的にはこれは好みじゃない。光りすぎたのでこのあと少し輝きを弱めた。

IMG_7460.jpg
↑まだちょっと輝いてるけど、ひとまずこれで磨き終了。こうして磨きが終わると凹凸が強調されるので、ヘタクソな形成だとそこが強調されちゃう。この段階になってから「あ〜ここをこうすれば良かった」って思うんだよね(笑)。

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↑すべての磨きが終わり、表面はワックスで、裏面はペンキ縫っておきましょう。一日おいて安定してからゆっくり組立てどす。
ヽ( ´¬`)ノ

つづく





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.23 2016 新しく造る comment0 trackback0

脛当を造るぞ その12 表面を研ぐ

つづき

 すべての造作が終わったので、最後に磨きをするよ。

 と言っても単なる磨きではない。今まで何度も書いてるけど、初めは凸凹を削り取る「研ぎ」ですな。磨きはポリッシュで、研ぎはグラインドですな。言葉の通り研ぎは研ぐので凸凹が削られ平らに均されること。だからハンマーでたくさんの凹凸を残すとこの時に苦労しちゃう。だから研ぎの前には可能な限り、よくよく表面を平らにしておく。
 
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↑初めはディスクグラインダーでガーッとサビ落しをしておく。この時に変な凹凸や歪みが気になることもあるので、この段階ならまだ修正が効くので、気になったら修正しておく。叩いて歪んで前後が合わさらなくなってしまったら、それは微調整の域を超えてしまった修正になるってことだね。

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↑すべて機械でやってもいいんだけど、曲面の多い部品は機械で簡単にできない。機械は早くてラクだけど、綺麗にできるかは人の手の問題だと思うので、機械は補助で過信しないようにしてる。だからまずは手でゴリゴリと研いで行く。まさに研いで行くような物で、鉄の粉がガリガリと出てくる。

 脛当は形が不安定でやりにくく、あらゆるパーツのなかでもっともやりにくい形だと思うね。抑えるのも難しいし、固定ジグとかいちいち作ってらんないし。力がかかるので右腕も左腕もかなりしんどいのでこの作業は勘弁願いたいのよ。

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↑でもこうやって地道に丁寧にゴリゴリ削って研いでいると、手で触っても分かるほど平らになってく。電子計測すればひどい凸凹だけど、初めに比べるとずっと平らになる。パッと見でも綺麗になるなと思うよ。機械で作って綺麗すぎると返ってウソ臭くなるから不思議だ。

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↑ところがぎっちょん。横目に対して次は縦目で研ぐと、見えなかった凸凹がはっきりする。黒い凹みならヤスリが触れてない深い凹みで、縦目で研いで見えるのはあと少しの凹み。縦目で研いで綺麗にしても消えないのが中くらいの凹み。だから縦目でも凹みが消えるように、ひたすらひたすら研ぐ!
( ;´Д`)

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↑横目で研ぐ、縦目で研ぐ、これをやっても消えない凹みはこのように最後まで残る。これを研ぎで消そうとすると周りを削りすぎちゃうので、ここまでの凹みは裏から少し叩いて凸で均して、そして研げばすぐに綺麗になる。これは面倒だけど、やればやるほど綺麗になる。言い方を変えれば、初めに丁寧にならしておけばこの苦労はあんまりないのでござる。

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↑ざっと研ぎを終わらせた前の左右。縦が終わった終わりではなく、また横目で研ぐと、また新たに凹みが浮き上がってくる。だからまた横目で研ぎをする。凸凹具合にもよるけど、これを2〜3回往復するとだいたい目で見た感じで平らになる。

 やっぱりこの作業が一番しんどい。凸凹なんて気にしない!ってルーズな性格はある意味うらやましいやね。
(´Д`;)

つづく





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.19 2016 新しく造る comment2 trackback0

脛当を造るぞ その11 金具付けへ

つづき

 すべての形成が終わったので、あとは細かい加工と金具付けをしますよん。

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↑ふくらはぎの形が整ったので、ふくらはぎに付ける金具がやっと作れる。これはベルトを通すための金具で、簡素に革ベルトでもいいんだけど、やっぱ金具のほうがカッコいいので金具で作ることにしたびょん。

 鉄板だとちょっと薄いから、鉄釘を加工して厚い板で金具を作ってみた。けっこう苦労したので、こんな苦労するなら1.6mmの鉄板で作ればイイヤと思った。些細なことも経験すると良い勉強になるわ。この金具を左右で二つ作るぞよ。

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↑途中で気がついたのでへんな画像(笑)。前後が重なり合うと、重なり合う板の部分がある。重なる部分は大きすぎると重たくなるし邪魔だしろくなことがないので、必要な重なり以外はこの段階で除去しつまう。初めにカットしちゃうと足らなくなったときにゲームオーバーだからカットは一番最後だよ。

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↑カットして前後の縁を綺麗に整える。整って形が定まったら蝶番の位置を決める。穴をあけてしまうと変更が面倒だから、テキトーに決めないで、他の金具やパーツ、可動範囲もよく考えて適切な位置を求める。何も考えないでテキトーにやるとだいたいあとで「あちゃ!」とかなる(笑)。

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↑側面に蝶番を付けたところ。ちなみに「蝶番」は「ちょうつがい」と読むのだぞ。現代ではしばしば「ちょうばん」とか読まれるんだけど、字が読めないアホみたいだから注意だね。「なんだよ普通に仕事でチョウバンって呼んでるぞ。間違ってるのはお前のほうだ」みたいなことも言われないわけではないんだけど、これは言葉の意味や成り立ちを知ると判るん。

 確か「ちょうつがい」の言葉は平安時代からあったと思ったうろ覚え。この金具の形にその様子を当てた名前だね(蝶の交尾を蝶番と呼ぶ)。蝶番は特殊な読み方だから、近代から現代にかけて誤読「ちょうばん」になって、それが当て字で「丁番」になって、現在はこれが主流日本語になってるみたい(逆にびっくりだわ!)。「蝶番」が「丁番」になって「ちょうばん」になるとは、頭の悪さもほどほどだよね。

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↑反対側にバックルを付ける。これで脛当全体に蝶番とバックルの金具が取付けられたオッケ。

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↑バックル側に先に作った革ベルトを付ける。前方に付けすぎると目立って邪魔だし、後方へ付けると干渉して邪魔だし、上に着けると・・・などなど、着ける位置でけっこう条件が変わるので、付ける位置は意外と悩む。デタラメに付けると明らかにカッコ悪いか問題が起きるので、必ず良く考えてから付けてね。

 ひとまずここですべての加工と準備は終了。

 仮組立をして動かし、他のパーツと合わせるなどで問題がないか最終確認。この段階ならまだかろうじて修正できるので、しつこいくらい確認するのが良いですね。

 なので、話は前後して混乱するけど、修繕している途中の腿当と連結して全体を確認しましょう。この段階で脛当と腿当に問題がないと分かったら、腿当は組立てて、脛当も磨いて組立てする。腿当も改良する可能性があるから、まだ完成させない方が保険になりますね。
(^∇^)

 基本、脚は「腿当、膝当、脛当」を同時進行で一緒に作るのが原則。こんなバラバラで作るなんて信じられないくらい不効率で難題なのじゃ。脛当が売ってないから脛当だけ欲しい〜♡なんて思うのが普通だけど、脛当単体で作る方が逆に難しいなんて誰も想像できないよね。↓
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 さて、すべての確認が終わったので磨きをしましょう!確認したのに「ここもう少しどうにかならない?」とあとで言われてもそれは無理なので、これが最後です。
(・ω・)ノ

つづく





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.16 2016 新しく造る comment6 trackback0

脛当を造るぞ その10 折り返し加工を

つづき

 3回めの試着をして最後の確認が終わったよん。

 なんとなく足首に圧力がかかるとのことで、もう少しだけ足首周りを広くすることにした。初めは脚の形でふくらはぎを大きくして、次は裾を広げて歩きやすくして、最後の確認でその二つをつなぐ足首周りを広げる。これで全体の確認ができたことになる。

 足首周りは細ければ細いほどカッコいいので、できれば細くしたいと、数値的にできるだけ細くしたんだけど、靴下を履くなどもあってやっぱりキツいと余裕がなくダメみたい。だからほんの少しだけ足首周りを広げるのでした。5ミリとかほんのわずかでも大きな差が出るので足回りの微調整はとっても大切。

 といってもそこをいじると周りも釣られて少し変形するので、また合わせをするなどで手間がかかるんだよね。足首の補正が終わったらすべての確認をして、もう形が変わらないと判断したら形成はここでおしまい。

 形成が終わったらようやく最後に向かって加工するだけ。まずは形成が終わったことを示す端の折り返し。端を折り返すともう形が変えられなくなるので、これをすると後戻りできない。よくよくしつこいほど確認したら端を折り返すのだ。

IMG_7177.jpg

↑端を折り返すのは何度も説明しているのでここでは割愛。上辺と下辺をこのように折り返して、端の強度を高めると同時に、全体が歪まないように金属の張りが固定される。これは結構面倒なのでナシにする人も多いけど、やっぱり折り返しを入れると綺麗だし強くなって良いと思う。

IMG_7182.jpg
↑全部は同時に撮影できないけど、前後左右の上辺と下辺に折り返しを入れたところ。カーブがきつくて小さく折り返すのでけっこう難しいけど、何でもゆっくりやればけっこう綺麗にできるものじゃ。

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↑ちょっと解りにくいけど、向かって右は左足の前。向かって左が右の後。

 上辺と下辺に折り返しを入れ、わずかに出る歪みを整えて、最後にいまいちど前後の合わせを整えて、それを左右で同じになるよう整えて、すべてに問題がない形になったと思ったら、最後にもう一度全体の表面を整えて、整えることころが無くなったら造形はやっと終了で〜す!
(゜∀゜)

 画像で見ると意外と曲がって見える。でも人の脚って思っている以上に曲がってて、まっすぐにすると脛当が履けなくなる。片脚でも右側面と左側面はぜんぜん筋肉の形も高さも違うから、左右均等な形で作るわけにもいかず、何十何百と形の確認をしなければならず、ほんと自分との根比べ。

 集中しているのであっという間に時間がたって何日も経ってしまったけど、落ち着いてじっくり進めて、ようやくここまでたどり着くことができた。まだ先はあるけど、困難だった形成がここまでできてスゲーほっとしてる。

 ここで気を緩めず、小さい修正を入れて全体をより細かく仕上げてく。

つづく





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.12 2016 新しく造る comment3 trackback0

脛当を造るぞ その9 金具造り

つづき

 2回目の試着をするのだけど、当人がすぐに来るわけではないので、待ち合わせすると当日まで何日も何もできないのでこれがけっこう困る。だから脚の石膏像をくれ、となる。だがそれをやってくれる人は日本にはいない。

 試着まで数日あるので、とりあえずその間に金具を造ることにした。今回使う金具は、片方の脛当の側面に使う蝶番2個と、ベルトを留めるためのバックルを2個。それが左右脚だから合計4個4個を造らなければならないのですね。

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↑まずは蝶番を作るよ。板を重ねて中央を削り軸棒を差し込む。蝶番は上と下で形が違うので、それを左右づつ作るのじゃ。原型ができたら、大きさを決めて削り取る形を決める。デザインは実物に近いのが理想だね。実物より若干大きいんだけど、そもそも脛当が太くて大きいので、それに合わせて一回り大きくしたん。

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↑輪郭を削り取ったところ。画面左側は削り取っただけの形。画面右側は軸棒を固定して磨いて完成させたところ。これをすべて完成させる。形を削るのも面倒だけど、左右で同じ形にしなければいけないので並べてチマチマ修正してく。海外で機械で造ったのも安価であるけど、機械抜きは整って綺麗だけど、綺麗すぎて何か魅力ないんだよね。

IMG_7058.jpg
↑バックルをゼロから造るのは結構面倒。鋼材を加工して造っても市販のもとの基本は同じ。そんならばと市販の物を準備して、それを加工して新しく造ることにしたのね。市販品はそのまんま使っても機能は同じだけど、デザインが合わないから加工しないとダメなのよ。

 これはその順番の様子。画像を残すために順番に加工して並べてみた。いっぺんにやると楽なのに、画像撮影のために工程を止めるので面倒なことしましたね。上から、市販品、メッキはがしと金具外し、叩いて形成、ヤスリで形を造作、板を噛ませて削って完成。後は4個作って磨くだけ。

IMG_7087.jpg
↑というわけで、蝶番とバックル各4個づつ作りました♡全部磨いていちおうこれで完成となるのかな。こんな小さい金具であっても一つづつ手で削って行くのでえらく時間がかかる。すごい時間がかかるので、これだけでも誰かにやってほしいくらいだよ。そしてお安い誤用だ!と作ってみると「4日かかったので2万円いただいていいですか?」みたいになるんだよ。海外で型抜きされた安価なのもあるけど、使うのはだいたい毎回大きさが変わるから、まとめて買ってもそんなに使えないんだよね。

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↑これはおまけ。ひとまずこれで4個4個の金具が全部できました。

 蝶番やバックルなんて100円ショップで売ってるほど簡単だろ、とか思った人はゲームオーバーなので、そう思った人は便所掃除から出直しましょう。私からすれば、西洋甲冑だの鈑金だの憧れてはじめる前に、基本的な蝶番とバックルからやってみな、って思う。4個4個使えるものができたらおめでとう。できなかったら台風に飛ばされてスタートに戻るだ。そして「西洋甲冑」の漢字書き取り100回書くからやり直しね。

 こうして作っていることで時間がたち、試着2回目をしましたよ〜。試着して確認できたら、また次の追加修正をしましょう。

つづく





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.09 2016 新しく造る comment0 trackback0

脛当を造るぞ その8 鉄靴と合わせる

つづき

 前後と左右、両脚の裾を広げて追加修正が終わったところだね。

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↑時間をかけて前後左右のセンターの反り返しの追加と、裾の広げを終わらせました。初めの形を打ってみて、1回目の試着してから、それを補正したところでございます。これで完成形ではないけど、もっと膨らませるのができ上がったことになるね。

 左右ともまだきっちり同じ形になっていないけど、おおまかに追加で形が広がっていること(最大値)が取れれば、細かい形はあとで補正で直せる。まずは外形じゃね。これほど苦労するとは思わなかったけど、実際にはまだまだこれから手を加えなければならないので、先はまだ長いわけさ。

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↑ほんでおおまかに外形ができたから、試しに鉄靴と合わせてみる。以前に試着してるから、鉄靴との関係はある程度イメージしてる。だから乗せただけでもだいたい問題ない。

 こうして見ると、地面からの高さで厳格な高さの基準が定まってくる。高さが決まると骨の位置や関節の位置も厳密になってくる。それまで仮定されていた高さや位置の基準が見えてきて、ここから具体的に細かく詰めてくことができるのだわさ。このデカい鉄靴がなければこんなことしなくいいんだけどね。

 しかしこの脚は太い!太い分だけ無駄に手間が増える!

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↑高さが細かく分かるとと、くるぶしや膝の位置がはっきりしてくる。すると高さが設定されるので、上辺の余分が具体的に見えてくる。ある程度印をつけた位置と、実際の長さを仮定して、上辺の位置を新しく決める。脚は骨が当たるといたくて洒落にならないのでミリ単位で気を配る。

 まだ少し余裕を持たせるので、切りすぎないように不要な上辺をカット。膝の裏は左右で肉と腱の位置が違うので斜めになっとりやす。あとは部品の縁を折り返すので、下辺と上辺の折り返した分で長さが短くなる分も予め計算に入れておかないとあとで極端に短くなるので注意じゃ。
 
 ここまでが修正部分。あとどれくらい修正するか分からないので、最後の修正の前に2回目の試着をして形と長さを最終確認するのです。自分の脚や石膏像があるならそれに合わせれば楽だけど、ここにいない人間の脚の形にするのは相当難しくて、どうしても「初め、中間、最後」で3回は試着しないとリスクが高いと思う。手間がかかるけど石膏像がないのだから仕方ないやね。

 全体がまとまったので、ひとまず2回目の試着をするのじゃー。

つづく





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.05 2016 新しく造る comment2 trackback0

脛当を造るぞ その7 もう一つ裾を広げるぞ

つづき

 さて、前後の裾が広がって喜んでいてはいけない。脚は左右2本あるのだ。

 てなわけで片方のセンターの反り返しを追加して裾を広げて前後の合わせが終わったら、もう片方も同じことをしなければならないわけだ。これが実に面倒で、下手をするといくら時間をかけても同じ形ができず頭を抱えちゃう。もう地道に集中して取り組むしかないんですよね。
(´~`;)

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↑これは前を左右並べたところ。奥が修正した物で、手前がまだ手をつけていないこれからの物。見て分かるけど足首周りを含め、ぜんぜん形が違うのが分かる。さて同じ物をもひとつやりましょうか。

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↑ちょっと解りにくいけど、こっちは後。奥が修正した物で、手前がこれからの物。

IMG_6912.jpg
↑順番に撮影してないので分かりにくいけど、後を左右で並べてみたところ。左が加工を加えた物で.右はまだ何もしていない物。センターを反り返しているけど裾が広がっていないため、両方とも同じように裾を広げるぞよ。ただの革靴ならそれほど広げる必要ないんだけど、大きな鉄靴を履くならかなり広げないとダメなんだよね。
(;´・ω・)

IMG_6969.jpg
↑形は整えてないけど、ざっと似たような形で左右を揃える。もっと形を追加する可能性があるので、いちいちあんまり綺麗に整えていない。広げているときは広げることに集中するよん。

 画像で見ると結果だけしか伝わらないんだけど、やったことある人は分かると思うけど、形を変えようと叩くと周りもどんどん変形してくる。脚の形になった筒がどんどん広がって行く、広げた裾が閉じていく、などなど、周りが勝手に変形するので、形成をしながら周りも修正しなければならず3歩進んで2歩下がる気分。これが時間かかる要因なんだよね。
(´・ω・`)

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↑これは何となく撮った作業中の画像。作業中は表と裏の叩くところを考えてるので、イメージとしてこうやって印をつけてる。自分なりのルールを持って縦と横、表と裏、流れや順番が分かるようにしておく。プランが合ってると思った通りに曲がってくので面白いよ。

つづく





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.02 2016 新しく造る comment0 trackback0

脛当を造るぞ その6 裾を広げる

つづき

 左右の前後が仮合わせができたので、着用者の試着をしました。ふくらはぎの形はほぼぴったりなので問題なし。測ったサイズと画像に合わせたラインがぴったりだったと言うことですね。
(´ ▽`).。

 さて試着すると、まだ調節していないところがキツかったり、当たって痛かったりしますね。どこをどうするか、どれくらいにするか、着用している段階で見たまま想像できるので、この時にメモを取って印をつける。イメージできたら試着はおしまいで再び自宅で作業するのね。脚の石膏像があれば簡単なのに面倒だよね。
(・ε・)

 とくに裾はあんまり広げてないので、試着すると足首の下はけっこうキツい。何もない足だけなら良いけど、靴を履いたり、大きめの鉄靴を履いたり、そのうえそれで動くのだから、裾がもっと広くなければまともに動けないことが分かる。これが理想と現実の差になるんですね。

 ここからは中くらいな作業が増えるのでちょっと解りにくいかもです。分かりにくいと思ってやや画像を多くしてみたよ。目で見る実際の立体と平面の画像ではかなり見え方が違うけど、イメージが伝われば良いなと思う。
 
IMG_6818.jpg
↑これは後だね。上の端が邪魔なので試着した時に付けた印でざっくりとカットじゃ。正式なサイズではないけど、この部分はもう大きくいじらないので余分をカットでオッケ。

IMG_6886.jpg
↑後と同じで、明らかに不要な前の上辺もカット。脚の長さと膝頭の距離が判明しているので、基準点が取れれば不要な長さが分かる。切りすぎると元に戻れないので、やや少なめに切るのが保険だね。

IMG_6821.jpg
↑さて、前の裾を横から見たとこ。センターの返しが弱いので、ここをもっと反り返させることにする。この反り返しを大きくするのは難しいし面倒なのでやりたくないが、やればやるほどスゲーく見える。

IMG_6820.jpg
↑後の裾を欲から見たとこ。こっちもセンターの返しが弱いのでもっと反り返させる。面倒と思うか、これでイイヤと思うかは自分との勝負かも。

IMG_6826.jpg
↑時間をかけて叩き、センターの反り返しを大きくしてふわっとしたところ。まだ叩くのであんまり厳密な形ではないけど、全体が広がってればひとまずオッケ。

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↑同じように後もセンターの反り返しを大きくしたところ。センターだけでなくすその周り全体がふわっと大きくなる。センターだけだと不自然だから、鉄靴と合うことを考慮して全体が広がるように叩く。鉄靴を履かなければこんな苦労しなくていいのにね。

IMG_6888.jpg
↑ちょっと間が空いた画像だけど、センターを反り返して形をいじると、当然のように前後で形が合わなくなる。反り返すだけでなく周りの裾も広がるので、前後同じように広げて、その形で互いに合わせるようにしなければならない。片方だけ好きな形ではダメっす。このズレを再び修正して、前後で合うように調節する。

IMG_6830.jpg
↑センターを反り返して裾を広げ、前後の形が合うようにしたところ。かなり面倒で難しいけどこれはスゲー重要。面倒だからとこれをしないと歪みが大きくなりすぎて、あとで元に戻すのに余計な苦労をしちゃう。手間はかかるが、裾を広げて前後を合わせるとこうなる(まだ完成ではない)。

IMG_6832.jpg
↑ふくらはぎの形を崩さないように、裾を広げ終わったところ。全体の形が崩れてないから合わせても前後が綺麗にハマる。形がある程度良いなと思ったら細かいところまで叩いて全体の形を整えて綺麗にしとく。

 と、ここで終わったかと思うと残念賞。脚は左右で2本ある。まだ片方しかやっていないから、もう一つ同じものを作らなきゃならない。「一つ作ることは努力だけど、二つ同じものを作るのは才能」と語っていた三浦さんのお話ですね。

つづく





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.27 2016 新しく造る comment0 trackback0
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