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手甲造りに挑戦 その30 感想

最後なので、簡単に全体を振り返って感想を上げてみますね。

これも手元に現物が残ってないから、毎度のこと人に見せることはできないけど、今回も初めて手甲を作ってみて、それまでの知識が具現化できて良かったところです。知識や理屈は分かっていても、イザやってみると理論知識と製作知識はまったく別なことがわかり、いかに机の上の勉強が表面的なところかと言うことを思い知らされました。実践や実験や経験があってこそ、紙の上の理論が成り立つんだね。
(´ ▽`).。

できることなら、具体的な歴史物を再現したかったけど、今回も体験なので多少のオリジナルデザインでやってみたのよ。だいたい15〜16世紀ころのよくあるデザインと構造をミックスした物で、具体的な時代考証はあえてしていないので、どの時代とも言えないかな。でもこの形は17世紀前期でも似た形があるから、どの時代とか何とも言えないなぁ。とりあえずテキトーと言うことで。
ヽ( ´¬`)ノ

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文中で何度か書いているけど、こいつはずいぶんと苦労させられた!が正直な感想でございます。サイズが小さいのは扱いが簡単で、座りながらじっくり手元で出来たのはラクだったけど、いかんせんこれまでの全身部位の中では、ダントツにパーツ数が多いので、一つ一つの形成や合わせが手間取ってしまい、想像以上の手間と時間がかかった。手甲なんか小さくて簡単だと思った人は、是非とも5本指手甲にチャレンジしてみてね。

手甲は全体が小さいので、小さい部分にかなり気を使ったかな。手に持てるサイズで造りが細かいと、つい細部まで見てしまうし、ちょっとした部分でも変な風に見えたり、こすれたりするので、様々なところを細かくヤスリをかけて調整。ハンマーでガンガン殴る時間は少なく、ほとんどはヤスリをかけて形を整えることと、仮組立をして動きを確認することばかり。

全身の部位を順番に造り進めてみたけど、結論として手甲が一番最後にして一番難しかったと言うことになっちゃいました。例えば海外で安く造られている手甲だとしても、良くできている手甲はしばしば意外に高いことが多く、日本円で数万円から10万円位する物も少なくないわけで、円支払いの為替で安いと思っても、物価価値で換算すると、現地の物価指数で見ても10〜20万円することがわかり、やっぱり手甲は良い物ほど繊細で手間がかかって高価なんだなと判るわけだ。

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大きさの関係から自分も身につけられるから最後は着けて楽しんだけど、最後だけあってぼちぼち造るのも慣れたかな。手甲の付け心地はとても自然で違和感も不自由もないし、持ち主が身につけても同じような感想だったから、武具としては問題なく完成したんだなと思うよ。

極端なグーパーはちょっと無理あるけど、それでも広い可動範囲に無茶な負担はかからないようにしてある。そもそもそこまで極端にグーパーすることはめったにないし必要もないわけで、自然な半パーか、武器を持った半グーがほとんどで、基本はその形で自然な形になるように設定してある。だからぶらりと置いた人の手のような写真は自然だし、物を握った様子も自然なわけでございます。

たぶんこの手甲で、日常のことはだいたい自然にできるはず。基本的に革手袋だけの感覚は変わらないから、バイクに乗るのも剣を持つのも銃を持つのも、どれも自然にできるはず。少なくてもスキーグローブより自由に手が使えるはずだよ。手は非常に繊細だからほんのわずかなことが致命的になりかねず、だからこそ時間をかけて細かくやったのです。
(^_-)v

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もちろん今回も、設計図なし、図面なし、サンプルなし、完成写真なし、型紙なし、スケッチなし、アドバイスなし、経験なし、専門知識なし、機械なし、デジタル機器なし、と無い無いだらけの中、持っている知識と想像だけで造った手甲の初作品です。出来が良いとは言えないけど、その分、得られる情報が多かったのは嬉しかったところ。終わってみるとあれこれ改善点が多く残るけど、だからこそ次を良くしたいと強く思う練習の作品でした。それでもイメージには近づけたので、まぁまぁの80点くらいかな。

いつものこととは言え、初めに考えていたことと、やっている最中のギャップはものすごい物で、何でこんなに難しいの?、とか、なるほど昔の人は賢い!、と驚きに包まれっぱなしでした。それだけ、ちょっと見ただけや考えただけでは、想像できない要素や注意点が多く、単純な組立だけでないことがよく解った。イラストなら自由な形や構造にできるけど、現物ではそうはいかず、自由デザインにしてほんのわずかでも端が当たると動かなくなっちゃうんですからね。(笑)

動きや構造を考えるとき問題は一つではなく、その一つをクリアするのに別の問題が存在し、まず先にそれを前もって発生させないようとする。しかしその問題を前もって対処するとさらにその先に別の要素があることが分かり、先にそっちを問題回避の準備をしておく、と言った何段階もの問題解決(予測)が必要とされ、やろうとしたいことが対したことでなくても、それをやるにはいくつも複数のことを先まで注意しないと、進んでから袋小路の行き止りですぐアウトになっちゃう。まるで将棋をしているような感じだよね。

そういった意味で、型紙アリやコピー品造りなんてのはもっと簡単なんだろうなと想像してみる。とにかく西洋甲冑は平面ではなく、全てが三次元の鉄板の組合せなので、きちんと合わせる苦労に終始。ひたすらこれにつきますですよ! よくある溶接や鋲で圧着させて強引に合わせ固定してるのではなく、その物自体が独立した形で、なおかつ連続して合わさり、なおかつ連動してスムーズに動くのです。紙でも布でも革でも粘土でもない、そうかとて機械工作の鉄鋼や工業製品でもない。この凄すぎる不思議な理屈が分かるだろうか!

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さてと、思ったより苦労したけど、時間をかけて良く考えるとだいたいのことは何とかなるな〜と思った。正確には何とかなるではなく、なんとかした、だね。わかんね!、できね!、時間ね!、と決断してしまうと何でもできないけど、とにかく時間があればかなりのことができると実感したところ。もちろん知識ゼロでは無理なので、最低限の知識があることは前提ですよ。

現代多くの場合、この時間が非常に短く設定されているからどんなこともできないわけで、それを克服するために機械などの道具を使うんだけど、機械が高額だと量産でもしないかぎり割が合わないから機械化もできない。また機械を使うと完璧にできると錯覚する人も多いけど、機械も使う人によって結果が全然違うから、機械を使いこなすにもそれ相応の経験と時間が必要になっちゃう。

時間ない、機械ない、お金ない、おまけに経験ない、資料ない。(笑)
こうして多くのことは「できない」の結論になっちゃうのかなと思った。三浦さんからはいつも「時間をかければ大概のことはできる」と教わっていたので、その通りかなと思う。現代では時間をかけることは悪いことだと思われているし、劣っていると偏見があるのが良くないのかな。頑張って無茶をするほど高評価になる、なんてへんな根性価値観があるからのう。出来ることなら苦労せずに少ない時間でヒョイヒョイと才能だけで造ってしまう方が優れているんだけどな。(笑)

と言うわけで、難しいことはとにかく時間をかけてよく考えてしがみつくしかない。とりわけ才能もお金もないと自覚するならば、なおさら時間でカバーするしかない。「自分にはそんなに多くの時間がかけられない」と誰もが主張するけど、それは三浦さんからすると「時間をかけなければいけない物を、手っ取り早く結果だけ手にいれようとしているのであって、その考え方は単なる欲張り」と言うことになるらしい。確かに現代では何でもそうかも。私だってそういわれてそうだなと思い、ここまで来るのに15年以上基礎勉強して来たんだからね。
ヽ( ´¬`)ノ

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思うことは色々あるけど、まずはこのへんで手甲は以上となります。
やっと全ての全身パーツが終わったので、あとで全体を総括して振り返ってみようかなと考えているけど、特に予定もないので、気が向いたらそのうち書くつもりです。
誰も読まないような独り言ブログをいつも読んでくださる方に感謝しま〜す。
そしてお疲れさまでした〜♡
ヽ( ´¬`)ノ


実質作業:約196時間
重量:約560g(片手)
材質:鉄1mm、0.8mm





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.16 2013 手の手甲 comment0 trackback0

手甲造りに挑戦 その29 完成

革手袋を付けてやっと完成しましたよ〜
わ〜い
ヽ( ´¬`)ノ

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画像で見ても、とりあえず手の形になっているからオッケだね。

今回の手甲は、体の中では比較的小さいパーツだから簡単かなと思ってたけど、終わってみるとかなり苦労したから、西洋甲冑はやっぱり大きさではなく、個別部品の数が多い複雑さでレベルが違うんだなと思ったところ。だからこの手甲も予想以上に時間がかかってしまい、二度と造りたくない気持ちになりました。(笑)
♪( ´θ`)ノ

とは言え、予想外であることと、難しいということは、それまでにない経験となったので、非常に高い経験値を得ることができて、大きな成長になったことは間違いないと思うところでございます。

それでは最後に感想でも述べて終わりにしたいと思いま〜す。
(・ω・)ノ





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.13 2013 手の手甲 comment0 trackback0

手甲造りに挑戦 その28 最後に革手袋

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鉄板の組立が終わりましたよ
ほとんどのパーツは、この段階で完成なんだけど、手甲に限っては、このままでは使えないので、もう少し作業が続くのでございます。とはいえ、鉄板としての作業はここまでで終了ね。海外品なども安いものはここで終わっているものが多く、あとは自分で手袋着けてね♡、なことはよくありますですよ。
(^з^)-☆

革手袋を着けることでようやく手甲として使えるようになるんだけど、手袋は人によってサイズも違うし、好みもあるから、多くの場合は自分で用意してもらうか、一般的な標準サイズでL,M,Sなどで指定してくっついていることもあるけど、海外製品は日本と基本サイズも違うし難しいなと思うよ。

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そのようなことなので、鉄板だけでは何も機能しないこの手甲に、革手袋を着けていくよ。着けると言っても縫い付けるだけだから、ここからは皮革の知識と道具が必要になって、それまでの作業とはちょっと違うです。ただ自分もこれはまだそんなにやっていないので、道具があっても自信がありませんでした。

などと思っても他に誰もできないので、初めてでも試行錯誤でやってみるのです。どんなことでも最初はレベル1であって、やらないことにはレベルは上がらないから、そう難しくないことは機会あるごとに地道にチャレンジしていきましょう。

ちなみに、革手袋はそんなに厚くないのがいいよ。作業手袋みたいに厚いとゴワゴワして手甲として不便になるから、西洋式のわりと薄めの革手袋がお勧めです。それと袖が長い方が、手甲に自由に留められるので、できれば袖が長い方が良いかな。といってもその条件の手袋は日本でほとんど売っていないので、それを探すのはけっこう大変かもしれないですね。

ネットでは「羊革手袋」とか「長手袋」で探すとたまに出てくるので参考にどうぞ。
さぁ!手袋を縫い付けるぞ!

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.12 2013 手の手甲 comment0 trackback0

手甲造りに挑戦 その27 順次組立

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指の組立が、左右ずつやっと終わったよ。
指ができ上がればかなりラクでございます。これ以外には革ベルトがないので、一つずつ順番に組み立てれば良いだけです。

いつものことだけど、組立順番はこれといって決まっていないから、そのつど自分でよく考えることになるっすよ。そして必ず正解があるわけでもないので、一番効率が良い順番(リスクの少ない順番)をよく考えて組み立てますよん。簡単そうなことだけど、この順番を間違えると最後にとんでもなく苦労するから、できるかぎりシミュレートして余計な苦労が発生しないように考えるのがいいかな。

このへんは何度かやると分かるけど、だいたい組立で苦労するところとパターンは決まっているので、何でそんなに苦労するのか原因を考えれば、どうしたらその原因を回避できるかな?と考えるようになって、それを順番に当てはめてみると問題を回避できることがよくあるのです。

決まった答えがないだけに厄介だけど、ちょっとしたパズルみたいでこれは面白いよ。シミュレートしていいと思っていたのに、ある場面で問題が発生した時は「しまった!」とマンガみたいな言葉がつい出ちゃうくらいだ。そんなときは「知恵が浅かった!」と反省して笑ってしまうのでおじゃるよ。(笑)

だからここまで到達しても決して焦らず、一つ組み立てるごとに「これでいいのか?」の確認を感度も何度もシミュレートして、凡ミスを起こさないようにゆっくりと前に進むのでござんす。組み立てたあとに分解することは非常にハイリスクで時間のムダなので、どんなに時間をかけてもやり直しだけは避けたいのだ!
Σ(゜д゜lll)

そんなわけで、下の画像のように、まずは4本指と甲が連結して、おおまかな全体が組み上がりますよ。これに親指と袖がくっつけば全体の組み上がりで完成になるわけですな。しかしどの部品でも最後は難しく、こうして文で書くのとは大違いの難しさなのよ。なんせ全部が組み上がると、4本指が重くて甲がパタパタと倒れ込み、袖があるおかげでハンマーが叩けず、親指が邪魔して鋲が打てない難儀。

慣れていなければ、鋲の一つも打てないよ。
♪( ´▽`)

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.11 2013 手の手甲 comment0 trackback0

手甲造りに挑戦 その26 指小札の固定

さてここからは指の小札に入るよ。
単純作業だけど決して簡単ではない。
ちょっと難しいけど簡単に説明するね。

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上の画像は、左が一番初めの準備段階。そして右は指小札を留め終わったところ。途中の過程はないけど、特別なことはないので省略してます。

まず一番始めは、指先の爪の部分を固定。きちんと形とサイズを合わせて、小さい鋲で留める。ここまでは何もないので簡単。問題なのはそのあとの多数な小札のほう。先端の爪小札とナックルの位置は決まっている。だからその中間の距離は決まってしまうわけだよね。指の長さがある程度決まっているので、当たり前と言えば当たり前だ。

さてこの指の間につける小札だけど、中間の距離を小札の枚数で割れば、1枚当りの平均間隔が出るのは小学生でも分かるでしょう。割り算すれば、間隔を何ミリにするか単純に分かるのだけど、大きな問題はその次。その間隔のまま他の指にもやると、指の長さが変わるので、小札の大きさに対して1枚当りの平均間隔は変わってしまう。しかもそれは少なくても4本指あるので、それぞれ勝手に平均間隔で設定すると、指ごとに小札の間隔がチグハグになる。

これは言葉では分かりにくいし、そんなに変わるものか?、と思うかもしれないけど、1ミリでも気になると言えば気になるもの。だからこの小札の全体の平均間隔を何ミリにするかとても悩む。平均を優先すると、枚数が多いので誤差が広がり、どこかの指で小札が詰まってしまったり、不要になってしまうことがある。それを解消しようと均一にすると指が長くなってしまう。たぶんこれが一番難しい計算だったかもしれないね。

だからこそ指の長さと手袋の大きさを良く計算し、そこから可能性の高い指小札1枚の大きさを厳密に決めなければ行けないので、海外の安い手甲のように、テキトーに切って並べて着けました、だとだいたい指が長いパターンになってしまう。なぜなら短いと使えなくなるので、余裕を持って小札が1枚多くなっているケースが多い。または間隔がチグハグで汚いのとかね。

これはある程度考えていたけど、ここまで悩まされるとは思わなかった。以前に三浦さんから指小札の難しさを聞いていたけど、これがその難しさなのかと知ったところでございました。しかもこれほど計算したにもかかわらず、小札に空けた穴がぴったり正確に空けられないし、ぴったり合わせてあるのに、今度は革帯の穴がきっちりあけられないから、そうした微妙な誤差が積み重なって、なかなか計算通りにならないヤキモキさ。

いやはや、これ本当に難しいよ。
この指小札5本指分の、鉄板形成と磨きと穴あけと固定をきちんとやってくれたら、指だけでも下請けに万払っても良いと思うくらい面倒くさいし難しいと思う。中世後期の時代、騎士の装備が高価だったのはこうしてやってみると良く分かるよ。
(-_-;)

そんな四苦八苦格闘の末、上の右のように小札が留め終わるのです。目を凝らしてみると角度や間隔は完全ではないことが分かるけど、手に着けるとそういったことは全体に包まれて気にならなくなるから助かります。こうして指小札をとめたら、次はナックルに留めるんだけど、ここが最後の正念場で、1ミリにこれほど悩んだのも久しぶりでございました。

この手甲の構造は、補助ナックルを使った形式なので、この指小札の革ベルトを、まず補助ナックルに留めるでございます。こうしてやると分かるけど、ここまで使う鋲の量と、固定方法の種類はけっこうあるので、どれか一つでも欠けるときちんとした手甲にはならないでございますよ。よく安い海外の手甲は、滅茶苦茶な強引な固定方法が多くて、危ないとか、痛いとか、理解に苦しむ品物が多いのでございます。でも結局のところ面倒くさいからコストに合わないんでしょうね。

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ちょっと飛ばしてあるけど、上の画像は指小札の革を補助ナックルに着けたところね。左は4本指と親指を全て留めたところで、この段階で指は全て止まったことになり、いわゆるここまでが指になるのね。右の黒いのは裏側でございます。表では小札しか見えないけど、裏からはたくさんの鋲跡が見えるよね。

構造としては小札を革に留めただけの単純構造で何のメカニズムもないから、単純と言えば単純です。だけど簡単かどうかは何とも言えないところ。自分で手甲を造ってみたい人は、手甲は別にして、まずはこの5本指だけでも造ってみるのはどうでしょうか?





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.10 2013 手の手甲 comment0 trackback0

手甲造りに挑戦 その25 革帯準備

組立前に、必要な革帯を切り出しましょう。
ちょっと鉄板と違う作業で慣れないけど、西洋甲冑はこの革が最も大事だから、テキトーに流さず、できるかぎり綺麗にやってみよう。革がしっかりしていれば、ヘボの鉄板甲冑でもけっこうまともになるからね。そういった意味で、西洋甲冑の半分以上は革にかかっていると言えるでしょう。

前にも何回か書いてるけど、西洋甲冑は金属で鉄だけできれば良いと思われてるけど、やってみると判るのはそれが大きな誤解で、表面の鉄板はおまけであり、むしろこうした革や鋲と言った裏方の黒子の方がとっても重要だと言うことが解ってくる。だから西洋甲冑をきちんとやりたいときは、革から学ばないといけないんだよね。

そんなことから、ゴーントリット全体に必要な革を切り出しま〜す。指は幅を合わせて長さは長めにとっときます。長いのはあとで切れば良いから、余裕を持っておきましょう。ブーメラン型の革は、袖口周りにつける革でございます。革は自由にカットができて、自由に変形できるから良いよね、鉄は全然変形も伸びも融通が利かないので困るじょよ。
(´Д`)

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まずは簡単なところで、袖口の革をとりつけよう。

特別なことは何もなく、いわゆる隠し鋲で留めています。
隠し鋲って何じゃ?、と思った人は西洋甲冑素人です。
隠し鋲は西洋甲冑の基本なので、知らなければそこから勉強しましょう。
隠し鋲がきちんとできなければ、西洋甲冑は絶対に作れないよ。
いや、できなくもないけどクソ汚く完成するでしょう。
(・ε・)

さて残るは指でございますぞ!





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.09 2013 手の手甲 comment0 trackback0

手甲造りに挑戦 その24 5本指の磨き

最後に指の小札を磨くよ!
( ´¬`)ノ

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基本的には指の小札も、磨き作業は全部同じね。

全ての磨きを行って、裏の錆び止めを塗ったところ。つまり完成したところだから、行程は全部すっ飛ばしてることになるよ。いつもと同じだから良いよね。

しかしこの指小札は、小さいから磨くのが非常に難しいと思い知らされかなり苦労したよ。ただただひたすら同じ作業をしているだけだけど。気になる不満部分は磨きながら修正してたから、えらく時間がかかってしまった。もう5本指は作らねー!ってマジ思った。
ヾ(。`Д´。)ノ

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指小札にもポンチを打ちましょう。

これといった説明はいらないですね。前の話と同じです。
ただ小さい部品だから、ちょっとでもズレてしまうと、そのズレが目立ってしまうのが難しい。じっさいポンチをきちんと打つのも難しいし、穴をきちんとその場所に打つのも難しく、結果的にぴったりに揃えるのは神業じゃないかと思ったほど。小さくて丸くてツルツルするものに、きっちり穴を空けるのは無理っす。

ってことを書くと、ジグ(受け台)を作れば良いのに、とか言われるんだけど、できたらそうしたよね。でもそれぞれ形が違うし微妙にカーブも異なる手作りパーツ。ジグを作っている間に手甲が完成しちゃうのだよ。しかもドリルの刃は、日本は右回転だからセンターから左に逃げる現象が起きるので、センターポンチを打ってもその通りにならないことがあって非常にくせ者。
ヾ(。`Д´。)ノ

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そして最後に鋲の穴をあけて終了。

きっちり綺麗に穴をあける方法を考えないと、これが今後の課題じゃ。ひたすらゆっくりやればだいたい綺麗にできることは分かっているんだけど、これだけ数があるとどうしてもゆっくりやるのが面倒に思っちゃうね。焦りは禁物だと改めて痛感しました。
(;´ω`)

まずはここまでで、手甲と5本指の磨きは終了!
あとはゆっくり組立しましょう!





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.08 2013 手の手甲 comment0 trackback0

手甲造りに挑戦 その23 組立前

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磨きが終わったので、最後は裏側に錆び止めを塗っておきましょう。これもいつものことだけど大切な作業。そして印が無いと右と左が混ざってしまうと分からなくなるので、箱に入れるなどして、右と左をきっちり分けておく原則も忘れずに。
(^_-)v

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そういえば書き忘れていたけど、各パーツには上の画像のようにポンチを打っておきましょう。これは研ぎをする前か、磨きをする前が良いと思いマッスル。こうしてポンチで印を打っておけば、あとで穴をあけるときにとっても楽チンなのでございますよ。こうしてピカピカに磨いてからポンチを打つと、ツルツスして打ちにくいことと、せっかく磨いた表面を、汚い手でグシグシ触ったり金床に当てたりして傷がついてしまうことがあるので、なるべく磨きのあとには何もしないのが理想かな。

穴をあける場所は形が完成しないと決まらないから、製作中には無理で、全ての形成が終わったらよく考えてポンチを打つ。こうすればあとで困ることはないから、参考にしてチョンマゲ。

でもこうした穴をあける場所は、ある程度初めから想定しておかないといけなく、後で考えれば良いや〜なんて思っていると、そのときになってそこに穴があけられないことが起きるなんてのはよくあることことで、ここでも先と後が矛盾しているので厄介だなと思う。形を決めると進まないし、形を決めないと穴の位置が決まらない。
矛盾してて面白いよね。
(^∇^)

これが何を意味しているかは、新作ではなく、改造作業をしてみると分かるのだ。改造はすでに完成した品物があるので形を変えたり削るだけ。だけど改造すると形がズレてしまい、鋲やベルトの位置がずれることが普通なので、それを修正することも必要に迫られる。しかし完成してしまった形やカーブに、しかも部品が組み立てられた状態に、新しい穴をあけるのはかなり面倒くさいか大変なことで、ちょうどいい位置が定められず綺麗にできない。だからこそ組立前にしっかりした場所に穴をあけないといけない、と言うことが体験からもよ〜く分かる。

う〜む・・・自分でも上手く説明できないな。
(~_~;)
何を言っているか分からない人は、改造でも挑戦して経験してみてくださいな。
とりあえず次、指に行きます!






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.07 2013 手の手甲 comment0 trackback0

手甲造りに挑戦 その22 磨き

研ぎも終わったので、次は普通の磨きね。
ここはいつものことだから特別な説明もいらないでしょう。

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粗、中、細、と磨きが終わったところ。
この段階の「研ぎ」では、全体がひどい傷だらけのまま。だからその傷を消すように磨きをかける。傷が消えればこれくらいは簡単に光ってくれるよね。でも手に取って見ると、まだまだ細かい磨き傷がたくさん見えてスジスジ。いわゆる銀スジ状態だから、このあとこのスジスジを消していくよ。

ちょうど太陽の光で反射しているけど、白黒にぎらぎら光っているのが良く分かる。一般的にはこの感じが磨いた感じに思われているかな。でもこれは磨いたばかりなので、一日でも経つと曇ったり、くすんでくるので、この白黒の輝きは特殊なものと思った方が良いと思うよ。


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細かい傷をコンパウンドで取り除いたところ。
これくらいにするとけっこうよく磨けていると思う。さっきのギラギラした輝きとは異なり、目が細かくなったので、どこかマッタリしたヌメッとした様子に見える。多くの場合、これくらいの磨きが好まれるかな。場合によってはもっと鏡面磨きにする人もいるけど、あんまり磨きすぎると周りの風景を映し込んで変な模様に見えるから、個人的にはあんまり好きではないのです。


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最後に錆び止めワックスでも塗って終了。
これの前の行程のコンパウンド磨き上げでは綺麗な輝きだけど、太陽に当たるとあまりにギラギラするので、ちょっと光りすぎな印象。ランダムにコンパウンドを掛けてワックスをかけるとそのギラギラが取れるので、こっちの方が西洋甲冑っぽくて良いです。変な言い方だけど、完璧にしないほうがリアルに見えるんだよね。光り過ぎはメッキかステンレス鋼に見えて、作り物っぽく見えてしまうのよ。

というわけで手甲の部分の磨きはおしまいね。
はい、次は指に参りましょう!





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.06 2013 手の手甲 comment0 trackback0

手甲造りに挑戦 その21 最初の研ぎ

さて最後の大仕事、磨きに入るよん!
(゜∀゜)


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ざっと表面の錆や酸化皮膜を落とす。
あれほど汚くても、これだけでもそれなりに輝く。この時は単なる作業として流すのではなく、錆び落しをしながら細かいところの凹凸を気にしながらやる。傷があるところ、凹んでいるところ、注意するところ、その後に修正するところ、などなど、常に細かく観察すると下らないミスが防げると思う。
他は難しいことは何もないので次。

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錆び落しが終わったら、次は研ぎね。
いつものように粗いサンドペーパーでガシガシ表面を研ぎま〜す。磨くレベルではなく、ガリガリと削るように表面を平らにするよ。工事現場のブルドーザーの地ならしのように平らにする。いつも言っているけど、これはなぜかモーターツールでは上手くできない。平面でとにかく削るしかない。

そして削っていくと、画像のように凹みの部分はマダラ模様に浮かんでくる。凹んでいるとサンドペーパーが当たらないのでこうした模様が出てくる。強くこすると消える場合が多いけど、それでも消えない場合は凹みが深い時だから、こうなるとサンドペーパーではなく、裏からハンマーで叩いて立体を消すのが良いよ。ちょいと叩いてやれば消えるので、面倒がらず地道に凹みを消しましょう。

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凹みを取り除いて、研いだところ。
さっきまであったマダラ模様は消えてます。これは表面を平に削っているからこそできること。たとえば粗いサンドペーパーを手で掛けた場合、このマダラ模様は出にくい。なぜなら凸凹に沿って研いでいるので、凹みの中も研いでしまい、凸凹が消えないままになる。だからこそ当て板を使ってカンナ掛けのように研がないといけない。

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こうやってサンドペーパーでどんどん凹凸を削っていく。
硬質#100番だから、一般のサンドペーパーからすると石にしか見えない手触りだけど、最初はこれくらいガリガリやらないとハンマー傷や凸凹が全然消えない。巨大な回転砥石でもあれば良いんだろうけど、そんなものはここにないので地道に手でやりましょう。

しかしこの研ぎ作業が、毎度一番シンドイよね。
(;´д`)

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こうして全体に研ぎを掛けたところ。
簡単なところは問題ないんだけど、ナックルや袖口など、小さい部分やカーブしているところは簡単にできないのでけっこう難しい。下手に力をかけすぎると角などは簡単に研ぎベリしてしまうので、端の角まで力を入れてはいけないので、1回1回注意しないといけないから、それも単純作業でなくてけっこう面倒。

しかしけっきょく、どんな作業をしても全部が面倒なんだよね。(笑)
(*´д`*)





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.05 2013 手の手甲 comment0 trackback0
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マクシミリアン1世

Author:マクシミリアン1世