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腕鎧を造ったぞ その17 感想

最後なので、簡単に全体を振り返って感想を上げてみますね。
これを作ったのは震災前なので覚えてる範囲で書きますびょ。

自分の手元に現物が残ってないから、毎度のこと人に見せることはできないけど、今回も初めて腕鎧を作ってみて、それまで考えていたことの何倍ものことが学べて嬉しかったのだ。今回は脚鎧と似ている部分が多く、むしろ復習作業のような感じで、特別に難しいところはなかった感じ。むしろ脚鎧でうまく行かなかった部分がクリアできたので、それだけでも良い経験なのかなと思う。

できることなら、具体的な歴史物を再現したかったけど、今回も体験なのでオリジナルデザインでやってみたのよん。完璧ではないけど14世紀末期から15世紀前期に掛けてのシンプルな腕鎧をイメージしていたので、歴史的な再現でなくても、メカニズム的なところの体験が具体的にできてよかったよ。♫

IMG_0226.jpg

今回も肘の羽根は1枚物で作る時間がなかったけど、次回は普通の鉄板の厚さで挑戦してみたいと思うのよ。今回のように、初めて挑戦して1.6mmの鉄板であの形をやるには、あまりにハードルが高すぎるんだよね。1.6mmといったら兜や胸当なみの厚さだから。

肘関節は、ちょっと変な形だけど、思いのほか良い具合にできた気がする。隙間もないし、こすれないし、可動範囲も最低限必要な120度まで確保できて、人間運動には何の問題もない良い具合になりました。格好が良くないのは初製作だからであって、これは今後の課題にしていきたいと思いま〜す。

ただいつもこうして思うことは、歴史的デザインを無視すると、必ず問題が起きると言うことが共通なのでございます。昔の西洋甲冑のパーツを完全に模倣するとその形から理にかなった形が再現されるんだけど、勝手に変更すると必ずつじつまの合わないところがでて来て、それを正そうとすると、結局歴史的な形になってしまい、歴史の偉大さを思い知らされ、「なるほど!」と気がつくことがたくさんある。なぜそのの形になったのか? その後はなぜ形が変わったのか? やってみて気がつくことがたくさんあるので、実作業は本当に面白い。

現代では何でもオレ様デザインでアートに走ってしまうが、西洋甲冑ではその正反対だから、オレ様デザインはひどいしっぺ返しを受けるんだな。なのでまずはきちんと歴史的構造と変遷をしっかり学ばなければいけないと本当に痛感するのでした。だからこれからはどんどん歴史甲冑の写しを造らないとね。このシリーズは練習だから、特定の時代ではないので、堂々と「歴史風ファンタジー西洋甲冑」と呼ぶよ。

しかしゲームから始まって、イラストの資料を集め、調べているうちに歴史的武器と西洋甲冑にはまり、詳しく分からないところだらけだから、ムキになって調べているうちに専門的になり、挙げ句の果てには造って学ぼうなんて、どんだけアホなのかと自分でも呆れて笑ってます。
♪( ´▽`)

IMG_0215.jpg

いつものことだけど、今回の製作も、設計図なし、図面なし、スケッチなし、サンプルなし、型紙なし、アドバイスなし、経験なし、専門知識なし、写真なし、機械なし、デジタル機器なし、と無い無いだらけの、持っている知識と想像だけで造った西洋甲冑パーツ。大きな問題もないので、これはこれで最善を尽くしたのでヨシとしましょう。

いまだに設計図やデザイン画ナシで造るなんてウソだと言われるけど、自分は文字や図面(受身)の方が頭が混乱するので、全て頭の中の立体構造とイメージ変化だけ(能動)で製作進行している。自分にとっては文字や数値が苦手だから、イメージだけの方がはるかに楽チン。むしろ反対に、一般的な図面や設計図を書いて造る人は、良くその通りにできるなと感心しちゃうよ。この感覚や感性は物心ついたときからなので、自分は物を造る時は、メモくらいで十分だと思っとる。

今回は、今までの中では一番不満が少ないかな。点数評価はそこそこの80点くらいと思うところ。多くの部分で想像や想定が思い通りになったところが多かったので、形は別として、機能や構造は良かったなと思う。もちろん歴史的再現にはほど遠いけどね。
(´~`;)

以下は前腕の開閉の様子ね。
留め金やフックはあえて付けなくて、着用者に遭わせて自由な大きさに設定できるようにしたよん。これは15世紀の現物にいくつか見られた構造なので、それを参考にやってみました。こっちの方が簡単と思ったけど、サイズが変わると形のストライクゾーンが変化して、返って形が難しくなったか?なんて、終わってから思ってみたのでした。(笑)
そうであっても、開閉はとてもスムーズに出来上がったので、これはこれで苦労したけど、とっても楽しかったので、良い勉強になったと思うよ。機械で造る人は、そんなこと、って思うかもしれないけどね。
(´ ▽`).。

IMG_0218.jpg

IMG_0219.jpg

IMG_0220.jpg

何はともあれ、形は最後まで完成したので、とりあえずおめでとうでとうじゃ!
そしてお疲れさまでした〜
ヽ( ´¬`)ノ


実質作業:約124時間(両腕)
重量:約1300g(片腕)
材質:鉄1.6mm、1.2mm

実際にはもう少し余分に時間を費やしているだろうね。
なんせ実作業していなくても、寝る時も飯のときも風呂のときもトイレのときも、つねに作業進行のことを考えているし、寝転がりながら延々とイメージ展開と仮定想定をしているんだからね。
(^з^)-☆





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.24 2012 腕の腕鎧 comment0 trackback0

腕鎧を造ったぞ その16 完成

腕鎧が完成しました!わーい!
ヽ( ´¬`)ノ

といっても画像を消失してしまったので、製作直後の画像ではなく後撮り画像だけど、こうして画像が撮れただけでもラッキでございます。磨きと組立の行程は、脚鎧とそっくりと理解してくださいな。

IMG_0213.jpg

IMG_0217.jpg

IMG_0212.jpg

ようやく無事完成しました、の図でございます。
どうもアイデアがまとまらなくて中途半端な感じもするけど、最終的に機構が良くできたので、これはこれで良いこととしましょう。動きもサイズも具合もちょうど良いのであれば、西洋甲冑としては優れていることになる訳だからね。
オレ様デザインで痛くて動けないでは論外。(笑)

気になるところや反省点はとってもたくさんあるけど、最初から100点は取れないので、これも通過点として良い経験としましょう。
(´ ▽`).。





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.24 2012 腕の腕鎧 comment0 trackback0

腕鎧を造ったぞ その15 磨きと組立

さー!最後のラストスパート!
磨きと組立を一気にやりましょう!



と行きたいところなんだけど、この行程は撮影したんだけど、完成後すぐに震災に遭ってしまい、震災後の混乱と大掃除で、気がついたら撮影したメモリーデータがどこかに消えてしまいました。
(;´д⊂ヽ

画像を確認したのは良く覚えているけど、パソコンにデータを入れた記憶がない。メモリカードがなくなったのか、メモリカードのデータを消してしまったのか、今となっては分からずじまい。最後なのでそんなに撮影していないけど、せっかくの記録がなくなってしまったのは残念無念。こればかりはどうしようもないのでスンマセン。

仕方ないので、先日持ち主のところに行って完成品の写真を撮って来た。震災前から比べると少し使用感はあるけど、丁寧に保管されていたので大きな痛みもなく、比較的良い写真が撮れました。簡単ながら、完成品の紹介で腕鎧はおしまいとなりマッスル。
(;ω;)





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.24 2012 腕の腕鎧 comment0 trackback0

腕鎧を造ったぞ その14 鈑金部品が揃う

P1130531.jpg

全てのパーツに折り返しを入れたところ。
上下が混ざっているので分かりにくいけど、上腕当の上縁、下腕当の上下の縁、などと人の肌に当たる部分に折り返しが加えられたのだ。上腕の上や、手首周りはアーチ状に丸めるので特別に難しくないけど、肘の内側に当たる前腕当の上側の凹のアーチ状のところはちょっと苦労したよ。
(;´д`)

どの場所もそこそこうまく行ったようで何よりだし、左右両方がおおむね問題なく出来上がったのはラッキでしたね。片方だけがやたらにうまくいくって、もう一方がショボイ出来で、バランスが取れないことは良くあるので、やり直しのきかない鈑金は本当に難しいなと思うところ。

ここまでできると鉄板はカッチカチになっちゃうので、もう形を変えることは極めて難しくなる。殴ったところで鉄板が逆らって来るので、綺麗に曲がらず変に歪んでしまうだけ。つまりそれだけ堅くなって防御力が上がっていると言うことなのじゃ。

たぶん前腕当の内側のパーツなら、この上に人が乗っても大丈夫だと思うよ。手では力を加えてもまったくたわまないので、ゆっくり加重を掛ければ、こんな薄い鉄板1枚でも、人くらいの重さは十分耐えられると思う。

P1130532.jpg

縁にも斜度を付け、全てが終わったところ。

ここで最終チェックになるので、よく見て確認し、凹みや歪みがないかよく見て、少しでも気になるところは今のうちに綺麗にしておく。この段階なら気軽に修正できるので、焦って進まないで、ここでしっかり時間を取るのが秘訣だと思う。しつこいくらいやってちょうどいいんだよね。
(^∇^)

さて、あとは磨きと組み立てだけだ!
┌(゜∀゜)┘





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腕鎧を造ったぞ その13 折り返し

全体の形が終わったので、折り返し加工ヘ行くよ。
(´ ▽`).。

今回のデザインは15世紀を中心とした物なので、裏への捻り返しではなく、表への折り返しなのね。このへんは前にも何度か説明しているので省略で良いかな。いくつか折り返しをするのだけど、下の画像は上腕当の上縁部分のところ。折り返さなくてもいいんだけど、ちょっと弱いので補強で入れてみた。

具体的な説明はいらないよね。ハンマーで殴りながら、少しずつ手前に丸めていくのだ。ゆっくり丁寧にやると、画像のように、筒の形を大きく崩すことなく、縁だけを手前に丸めることができるのよ。別に機械を使っている訳ではないし、薄っぺらい鉄板を使っている訳でもなく、ただただ丁寧に叩いているだけ。これが「鉄は粘土」と表現できるゆえんでもあるのよん。
☆^∇゜)


P1130524.jpg

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最後にはきちんと整えて、こうして綺麗な縁になるのだ。
力任せや、短時間でやるとうまくいかないよ。最後の修正も、形成と同じ時間ほど時間をかけて丁寧に仕上げましょう。ここで手を抜いてしまうとせっかくの加工も非常に汚くなるので、手間と時間をかけても最後の仕上げはしっかり綺麗にやりましょう。
♪( ´▽`)





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.24 2012 腕の腕鎧 comment0 trackback0

腕鎧を造ったぞ その12 角を整える

さてさて、ずいぶんと形が見えてきました。
ヽ( ´¬`)ノ

ここで焦ってしまうとミスをするので、慌てないでじっくり考えて一つずつ行程を確認して行きましょう。
さてここまで来ると形とサイズがほとんど整ったことになりました。この段階になっても気になるところはどんどん手を加えて修正してしまいましょう。形を変えるのも良いし、ヘリを整えるのも良いのだ。3歩進んで2歩さがる精神はとってもだいじ。

さて、下の画像は縁の部分。よく見るとサイズ合わせでカットしたところでも、そうでないところでも、縁のラインが合っていない。これはどの作業でも必ずこうなるのね。たとえ切りそろえても、板の重ねを修正したり整えると、再び鉄板が変形してこうして縁がずれてしまう。だから何度修正しても、そのつど修正することになる。これはもう忍耐しかないみたい。
(-_-;)

縁ラインが合っていない。
P1130517.jpg
縁ラインを合わせ、角落ちしたところ。
P1130518.jpg



そんなことから、縁のラインをしっかりと整えることと、各パーツごとの角を落としておくことが大切ね。これは直線ではまっすぐだけど、肘を曲げて可動させるとパーツの角が飛び出して尖るので、それは危険なことだから、しっかりと角落ちさせておくのだ。別に厳密な角度はないけど、昔の西洋甲冑も良い具合に角落ちしてあり、服が引っかかったり、肌に傷を与えないようになっているのだ。

角落ちは手間がかかるわりには、わずかの変化だけど、着用者に取っては非常に大きなメリットになるので、使い心地やデメリット回避のためには是非ともきちんとやっておきましょう。海外の安い西洋甲冑などでは、このような面倒な行程は多くが省略されており、身につけるとケガをするなどが良くあるっす。
ちょっと削ってヤスリで整えるだけなのにね。
(´・ω・`)

こうして縁全体が綺麗になると、原型の完成だ。
♪( ´θ`)ノ





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腕鎧を造ったぞ その11 肘の羽根

そういえば切り離した肘の羽根がありました。
(´~`;)

こいつをくっつけなければいけないので、今更ながら形成して合体させますです。
よくこの羽根のことを「何と言う名前ですか?」と聞かれるんだけど、元々は肘のパーツが大きくなって飛び出した部位なので、別にこれといって特別な名前はないです。あくまでも肘当から延長した一部であって、これ自体が固有名詞ではないのでそのへん理解してね。洋書とかだと羽根とか扇とか呼ばれることもあるけど、これはどう考えても現代の言葉だと思うよ。

この羽根一つとっても、歴史をさかのぼって登場と変化を調べるととっても面白いのだ。これはちょうど鈑金技術の進歩と見事に連動してて、この複雑な形と鉄板防御の進化が具体的に理解できる。つまり甲冑の防御力は鈑金技術なのだけど、これは鉄板で人の形を作ることであり、このようなミョウチクリンな形へ変化していくことが分かる。

このことを知ると次第に形が大げさになったり、工夫がされていることが分かり、15〜16世紀での変化はとても面白いことが分かる。16世紀になると鈑金技術も頂点になってそれ以上の変化はなくなるけど、はっきり言って16世紀の肘当を見事にコピーするのは非常に難しい。だから現代では多くが溶接を使ってごまかしてしまうんだよね。つまり造れないか、造ったとしてもあまりに技術と労力とコストがかかりすぎて造る意味がない。

肘当やこの羽根の変化だけでも非常に奥が深く、西洋甲冑マニアにはたまらない研究テーマでもあるのだ。興味ある人は古い時代から肘だけ観察してごらん。
( ´ ▽ ` )ノ

P1130509.jpg

P1130515.jpg

こまけーことはいいんだよ!

ということで、おおまかな羽根の形を作り肘にくっつけてみました。元々肘パーツから延長していた物をぶった切り強引にくっつけたので、ここから学ぶものはないと思う。はっきり言って省略では歴史の意味はないからね。だから具体的に書く意味はなく、簡単にイメージだけ紹介だ。

しかもこの羽根は、この後の最後になって気に入らないから、形を変えてしまったのよ。作り直しではないけど、ヘリのカーブ具合が気に入らないので凹凸をけっこう変えてしまったのだ。その変化は画像比較しないと分からないかもしれないけど、この修正変更は自分の中では無理してでもやって良かったと思う。こんな小さいパーツで1.6mmの分厚い鉄板でよく形状変更したなバカじゃね、と思われても、良い判断であったと思うぞよ。
(^_-)v

何はともあれ、この肘と羽根の部位は今後にしっかりときちんと造りたいと思う、良い宿題となるのでした。





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腕鎧を造ったぞ その10 合わせ

全体の形が整ったね。

さて全体の形が整ったら、あとは細かいところへ進んで行くんだけど、その前に細かい部分を綺麗にしておくのが良いと思う。ハンマーで殴らなければ大きく形は変わらないので、これを一区切りに連結部分を綺麗に整えるのだ。

具体的には下の画像のように、よく見ると鉄板同士のつなぎ目がけっこういい加減なのじゃ。だからヤスリを綺麗にかけたり、合わせ目のふちをハンマーで綺麗に整えるなどしますよん。ここで完璧にしなくても良いけど、この段階で綺麗にしておくと、あとは流れるように進むので、このときにしっかり綺麗にやっておくのが良いと思う。

P1130506.jpg

P1130507.jpg

これくらいに整っていればいいかな。
縁がボコボコしているのをヤスリで整え、ぶわぶわ波打っているのはハンマーで綺麗に平らにして、連結部分との隙間をできる限りなくなるようにしてる。これはネジで圧着させているのではなく、二つのパーツが同じカーブラインになってます。なかなか同じカーブにはならないけど、これで善し悪しの差が大きく出てしまうので頑張って整えよう。
♪( ´▽`)

整えたところ。
こうして見ると分かるけど、鉄板の連結部分はストレートになって、ぶわぶわした隙間はないでしょ。決まった幅に整い、隙間がなくてもこすれることなく良い具合に可動する。肘関節の部分が隙間ないのはストレートだから分かるけど、前腕部分は円錐状になっているので、そこの合わせを整えるのはけっこうたいへんなのでした。
(^_^;)

これでもヘタッピの最低限だと思うので「そんなアホな」と思う人は、本物の西洋甲冑の連結部分を良く観察してみよう。優れた甲冑ほど隙間なく綺麗に造られて感心してしまうのだ。つまりそれがスタンダードだと思わないと、西洋甲冑はすぐにガチャガチャのガラクタになってしまうので、希望や水準は、常に高く持とう!
ヽ( ´¬`)ノ


P1130504.jpg





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.23 2012 腕の腕鎧 comment0 trackback0

腕鎧を造ったぞ その9 余分を切る

さ〜て、来週のサザエさんは?

腕全体が形ついたら、ここからサイズを詰めて行くのだ。
下の画像は、細かくサイズを測って不要な部分をカットするために当たり線を付けたところ。不要部分をカットするのは極普通なこと。はじめからぴったりサイズで造るなど、ベテランでも不可能なので、かならず余分ができる。問題はその余分がいかに少ないで済むか?、がベテランとビギナーの差になるんだろうね。あと想像力かな。

西洋甲冑を考える場合、鉄板の面積が大きければ大きいほど良いのは分かる。だからなるべく切り落とさず面積を残したいが、そうすると干渉部分が多くなるので、今度は可動に問題が生じてくる。でも可動具合を優先すると鉄板部分はできる限り少ない方が良いことになる。ここに西洋甲冑の大きな矛盾があって、当時の甲冑師たちもその矛盾克服に知恵を絞り、莫大な金銭と時間をかけて、西洋甲冑は発展進歩しているのだ。

つまり、形や防御力は理想だが、現実と可動性を犠牲にせず、どこまで希望と能力を引き出せるか?という一点にのみ思考を集中させて余分をカットする範囲を決めるのね。繊細なところでは1cmどころか、数mmまで慎重に考えてカットしなければいけないし、可動具合についてはヤスリを少し掛けるか掛けないかで具合が変わるので深く悩んでしまう。

そんなことを考えながら、何度も腕にはめたり動かしたりで、余分な面積と形を導きだしていくん。これが「オレ様デザイン」で造ると一発でアウトになるから、嘘だと思うならそれをやってみよう。

P1130464.jpg

赤いマジックで印を入れたところが不要部分ね。
上腕から肘の内側、そして手首の周りなどがその部分だ。そして厄介なのが、単純にカットするだけではなく、縁を折り返すことを想定して、その分の余白も残しておかないといけないと言うこと。折り返しはそのつど幅が変わるので、折り返す幅もあらかじめ決めて、そこから逆算して余白を残すことが必要なのだ。

鉄板は一度切ってしまうともとに戻せないので、カットするときはかなり神経質に、綿密に計算しないとダメだよ。とりあえず、とか、テキトー、なんかでは絶対できないのです。難しいのは分かっているけど、考えれば考えるほど良い西洋甲冑になるから、ここは技術ではなく、想像力として自分との勝負だと思う。
(・ω・)ノ

P1130503.jpg

カットが終わったところ。
文字で書くと1行だね。(笑)
カットすると言ってもハサミでバサバサ切れる訳ではないので、あれこれ工夫してカットします。もちろん鉄板も厚いし、叩いて堅くなってるし、湾曲してカットしにくいことこの上ないぞな。そしてカットするとカット面が変形してギザギザになるので、それも綺麗に整えましょう。気に入らなければ整えた後でもガンガンカットしましょう。

ここでしっかりと形が整えられると、全体のサイズや形が決まる。ここまで来るとおおむね中間地点通過だと思うよ。これ以降はピンポイントで加工や調整をするので、これ以降は大きな改良が難しくなる。だから通過点かもしれないけど、しっかりじっくり確認と仕上げをしておくことがとっても大切。

ここまでが大きな大きな折り返し地点でございます。
(´・ω・`)





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.23 2012 腕の腕鎧 comment0 trackback0

腕鎧を造ったぞ その8 上腕当の板

さてさて、肘から前腕がおおまかに形ついたぜよ。
ヽ( ´¬`)ノ

ある程度の大きさと形が決まったら、上腕当をくっつけるね。
今回の構造は15世紀のシンプルタイプにする予定なので、これといった構造はなしで、板を追加するものだ。なのでサイズをおおまかに計り、それに合わせて仮型紙と鉄板切り出しを行うのね。これも形が良く分からないので、まずはゆったりサイズで大きめに切り取ってみるので〜す。無駄になるのは分かっているけど仕方ないよね。
(´・_・`)


P1130459.jpg

P1130461.jpg

細かいことは省略しちゃったけど、火あぶりして、慣らし叩きをして、形成して、連結部分を調節して肘当と連結したところ。はしょってしまうと結果だけ知ることができるけど、やってみるとこれだけでもけっこう難しいよ。動かないなら簡単だけど、動くようにするのは肘関節と同じ理屈だからね。

ここまでになると腕全体の形と大きさが出来上がる。ここまでで「大中小」で言うところの「大」の造りがおしまい。ここからは数値に合わすのと、装着具合とに合わせ、形とサイズを詰めて行くことになる。

これだけ見ると汚っい甲冑に見えるよね。確かにそうだ。自分も造っているときは「これはないだろう」と思うほどガチャガチャで汚いイメージがあったので、はっきり言ってやる気がないほどだったのだ。
しかし!





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.23 2012 腕の腕鎧 comment0 trackback0
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マクシミリアン1世

Author:マクシミリアン1世

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