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鉄兜を造る その30 感想

全部終わったので、最後に感想でも。

この兜は頼まれて作った物なので、完成して渡すと手元には残らない。
当たり前と言えば当たり前だが、造ることが好きなので完成品にはあんまり執着していない不思議な感覚かな。ただ人にはよく「造った品を見せて」なんて言われるけど、手元にないから見せられない。雑誌やテレビの取材相談でもそう答えると「作品がないなら」と断られてしまうこと数回。

こちとら遊びで作っているわけではない。
頼まれた物を造るか、修理の練習でおしまい。
自分の作品をホイホイ造るほど軽くないし、簡単でないし、暇でもない。

とどのつまり、経験と実績は積まれるけど、作品が残らない。
いやはや勉強中だからまだいいけど、この先はある程度残さないとマズイかもね。(笑)


今回の兜は依頼されたデザインと強度。
デザインは決まっているので仕方なし。
鉄で作って強度を保たせる。
溶接も使わないから、分厚い鉄板はとっても苦労したよ。
兜は一番分厚い鉄を使うから、本当に手が痛くなった。
夜に筋肉痛になってキンカン塗って寝た思い出。(笑)

でもこうやって最初からハードな奴が立ちはだかると、頭もやる気もフル回転になって、レベルアップが早いのは確かだと思う。ゲームで言うところの、強い敵を倒して経験値ガッポリってとこかな?(笑)

いま見返すと気になるところはたくさんある。
でも造ったこともない、経験したこともないことにチャレンジできたのは良い機会。
こんな面倒でシンドイことなど、自ら進んでやるとは思えない。
いや、トライしたとしてもまず途中で挫折していただろうね。
そう言った意味で「物造りの責任感」は、芸術家との違いはそんなところにあるような気がした。

このことは三浦さんもよく言っていた。
「芸術家は自分の都合でいくらでも変更できる」
「だが甲冑師は、できなければヘタクソでしかない」
だから「至らない」のはよいけど「できない」のはダメだって。
その言葉は、ずっと頭の中で巡っていたな~。


全体の作業の中で一番難しいと思ったところは、大きさ。
形は技術だけど、大きさはこれまた独特な感性。
サイズを測ってその通り造ればいい?
帽子や頭巾ならそうすればいいけど、被り兜はそうはいかない。

キツいと額や耳が当たり、うっかりすると鼻がすぐ当たる。
それを防ごうとちょっと大きくするとぶかぶかになり、本当のバケツサイズになる。
小さく作って、余裕を持つスペース。
かつデザインが決まっているのだから、好き勝手に変形できない制約。
何たる鬼矛盾。(笑)

この「サイズについて」は一番悩まされた。
ギリギリオッケーもらったが、それじゃ赤点30点クリア。
作り手としては辛くもクリアではダメダメ君。
もう一回造るなら、あれこれ工夫してみたいと思ってみる。
今回は手探りで時間がかかってしまった。;
同じような物を造るときは、たぶん半分くらいの時間でできるでしょう。
何はともあれ、お疲れさまでした。


↓この写真がもっとも目で見たときのイメージに近いかな。♪
P1090936_convert_20100402165040.jpg

実質作業:約110時間
重量:約3kg
材質:鉄1.6mm

実際には失敗や修正、アイデアや型紙などの準備にかなりの時間を使っているので、実質作業時間より多くの時間を費やしている。たぶん150時間くらいと思うけど、時間は結果だから気にしない。オール手作業なんてそんなもんでさぁ。♪
1日8時間やれば、3週間くらいじゃん?
とか思った奴、やってみろ。(笑)





※文章画像の無断転載厳禁
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.02 2010 頭の兜 comment2 trackback0

鉄兜を造る その29

P1090943_convert_20100402160152.jpg
↑おまけの拡大図。
これは頭頂部から下に向けて見たところ。
ちょうど顔面パーツののぞき穴が見える。
手前の近いところが、おでこになりま~すね。

見た通りハンマーの凹み跡は見えません。
磨いてギーギーに付いた傷も見えません。
鋲も均一で、のぞき穴も真っすぐ。
額の鉄板が重なる部分も、隙間なく均一。

西洋甲冑はあまりのぞき込んで見るもんじゃない。
だから本当はこのような見方や観察は良く無い見本ね。(笑)
頭に被ったり、飾ってあるのを遠くから見て、シルエットが美しいと感心するのが本当の西洋的造形美の感性。だから豪華にできていても、飾ってかっこ悪いのは、やっぱり造形が至らないことになる。
この造形美は何とも表現できないので困るが、それが目指すところの憧れ。♡

といっても日本人なので、どうしても細かいところが気になっちゃうね。(笑)
↓こちらも頭頂部の合わせ部分。
隙間がなく、真っすぐ合っているのはとても気持ちがいい。
「鎧の善し悪しは、隙間の量と質で分かる」って三浦さんに教わった。
だから、なるべく隙間はないように造りたいのだ。

P1090944_convert_20100402160215.jpg


↓コチラはさらにおまけね。(笑)
のぞき穴から外を見た様子。
カメラだから見にくいけど、外は普通に見えるよ。
本物より穴が大きいから息もしやすいし、悪くない。
P1090935_convert_20100402160113.jpg





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.02 2010 頭の兜 comment0 trackback0

鉄兜を造る その28 完成

組立て完成!♪
どうしてもカメラのレンズで中央がちょっと膨らんで見えるけど、だいたいこんな感じ。
正面、背面、左面、右面、真上、の5方向からご覧ください。
感想はこのあとで。(笑)

P1090928_convert_20100402154509.jpg

P1090930_convert_20100402154537.jpg

P1090929_convert_20100402154600.jpg

P1090931_convert_20100402154656.jpg



P1090932_convert_20100402154730.jpg





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.02 2010 頭の兜 comment1 trackback0

鉄兜を造る その27

↓全ての部品が完成しました。♪
あとは仮組立と同じ手順で、本組立を進める~。♪

P1090927_convert_20100402144304.jpg

が、そうは問屋が卸さない。
仮組立てはネジで止めていただけ。
本組立てになると鋲で留めるわけだ。

丸鋲なので、外から通して内側で叩き留める。
写真で見えるように、内側で鋲がつぶれている。
やりにくいのは頑張れば何とかなる。

しかーし!
頭頂部などのてっぺんは、尖った先端。
そこで鋲を留めるのだが、どうやって兜の内側の狭い場所で鋲を叩く?

先細りになっているので、ハンマーが振り上げられない。
そして平ではないので、普通のハンマーだと縁が当たって叩けない。

頭頂部の鋲留めはずいぶんと悩んだけど、色々工夫して何とかなる。
ここで面白い工夫とアイデアが思い浮かばなければゲームオーバー。
そんなとんち合戦も、鎧作業の面白いところかもね。♪





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.02 2010 頭の兜 comment0 trackback0

鉄兜を造る その26

P1090924_convert_20100402142635.jpg
↑全6パーツを磨き終わったところ。
やっぱりこの作業が一番疲れると思う。
「中世ヨーロッパの雰囲気が欲しいから、表面は汚いのが良い」
と思えば、磨かないでラクしても良いと思うぞ。(笑)

↓磨くのが嫌だからって、ハンマーで叩かないのは横着。
平らな面でもしっかりハンマーで叩いて曲げ、鍛えて硬くしておく。
ハンマーで叩かない生の鉄板は、こんなフラットだとかんたんに凹んじゃう。
面倒でもハンマーで鍛える作業はだいじ。

P1090925_convert_20100402142709.jpg

P1090926_convert_20100402142742.jpg
↑ちなみに裏面は磨かないので、ペンキでも塗っておく。
錆止めを塗っておかないと、まっちゃっちゃになってたいへん。(笑)
適当でもいいから、しっかり塗っておきましょう。♪

あ、鋲も軽く磨いてから組むと同じ輝きになっていいよ(笑)





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鉄兜を造る その25

P1090918_convert_20100402140122.jpg
↑形ができたので、後は磨くだけ。♪
と軽く書くが、実はこの作業が一番しんどい。(笑)

一番最初は、グラインダーでザ==ッと錆び落しするので簡単。
ハンマーの叩きを綺麗にしておくとこの段階でもわりと綺麗。
この時に凸凹が見えると、この後はもっと酷く見える。
なのでこのときでも小さな凹凸は叩いて消しておこう!

ひとによっては「これで十分!」っと思う人もいるかも。
でも私は嫌ですよ。♡



P1090919_convert_20100402140226.jpg
↑この後は凸凹とキズ消し作業。
機械でもできると思うのだが、どうもできない。
色々試して来たが、こればかりは思いの仕上がりにならない。
だから地獄の手作業で進めるよ。

実際には「磨き」ではなく「研ぎ」になるっす。
凸凹の表面をツルツルピカピかにするんじゃない。
凸凹した表面の山部分を全部削って削ぎ落とす「カンナ掛け」で~す。

やればやるほど綺麗になるが、全ての部品を考えるとウンザリ。;
必要最低限まで頑張るのが理想。
でもぶっちゃけ、ここでその人の性格がモロに出るのでおもろい。(笑)



P1090923_convert_20100402140300.jpg
↑「研ぎ」が綺麗に終わったら、後は普通に「磨き」作業。
段階的に磨き傷を消していけば,このように綺麗に輝く。♪
(表面のモヤは、磨いた粉)

この作業だけなら、外注業社や機械でもオッケー。
どちらもそれなりにお金がかかるので、それは財力次第で考えましょう!
さぁ、この作業を全部の部品に行うと、あとは組立だけだね。♪





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鉄兜を造る その24

↓今回は6パーツのみ。
可動部分がないだけ楽だと思う。
細かく見ると気になる部分は多いけど、これはこれで良いでしょう。(笑)

1枚目は鉢金の前後。2枚目は鉢金の左右。
3枚目は顔面パーツ。4枚目は後頭部パーツ。

こうして部品だけ見ると、たいしたことないんだよね。
でも作ってみるとマヂ死ねる。(笑)

P1090914_convert_20100402133915.jpg
P1090915_convert_20100402134037.jpg
P1090917_convert_20100402134106.jpg
P1090916_convert_20100402134126.jpg





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鉄兜を造る その23

P1090904_convert_20100402125535.jpg

P1090909_convert_20100402125611.jpg

↑部品をばらし、重なっている部分はなるべく小さくしましょう。
もちろん鉢金同士の重なり部分も、不要なところはカット。
画面では、
鋲の下数ミリを残して不要な部分を切り落とす。
赤い線がカットライン。

切ってスッキリ!
これだけでもちょん切ると、数十グラム軽くなる。

たった数十グラム?とか思ってる人残念賞。
全ての部品でこの作業を行うと、すぐ合計1kgとかなる。
良いヨロイほど軽くて丈夫なんよ。(笑)


ちなみにこっちは↓ギャーっとカットしているところ。
ハンマーで良く絞めた鉄板だから、ちょっとだけなのに、とんでもない堅さ。;
鎧の強さを実感する瞬間。
P1090905_convert_20100402125716.jpg





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鉄兜を造る その22

P1090910_convert_20100402131514.jpg

↑のぞき穴を空けたところ。
本当にこんなんで良いのかな?と思いつつオッケー。
人間工学としては、偶数にしないと目の位置と合わない。
でも機数の5本と言われたのでこれ以上は考えない。(笑)

ついでに他の鋲穴も全部空けてしまう。
本当は鋲穴も奇数が良いのだけど・・・。
ここであれこれ書いても意味がないので、そのことは割愛。

鋲は適当に思われるけど、本当はとってもだいじ。
打ち過ぎると重くてぐちゃぐちゃする。
少ないとシンプルだけど、強度が落ちる。
好き勝手に打つと、全体の鋲間隔がバラバラになって汚い。;
難しくて非常に悩ましい・・・。

とりあえずこんなんでどーっすか?

P1090912_convert_20100402131639.jpg   P1090911_convert_20100402131703.jpg





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鉄兜を造る その21

P1090899_convert_20100402121554.jpg
↑これで基本形が出来上がる。わ~い!
最後に顔面ののぞき穴を空けるために下書き。
このデザインは本物の中世兜ではないけど、お好みによりこのデザイン。(笑)

正面、側面からのバランスがあり、何度も何度も描きなおす。
きまった数値がないのは、こーゆーときエラく苦労する。
もともと手作りでフニャフなしたものにセンターだのバランスだのを正確に求めること自体が無茶なのだが、見た目の良さを重視してたくさん時間を掛ける。たぶんウン十回と書き直したと思う。(爆)

↓ぐるぐる回したり、離れてみるなど、よ~~~~く考えましたよ。
写真ではレンズの関係で中央が膨らんで見えるのがザンネン!
立体的な甲冑物は不利ですな。
P1090902_convert_20100402121631.jpg


↓真上から見たところ。
だいたい楕円形になっているかしら?(笑)
わずかに斜めに歪んでいるのは後から分かる事実!

なぜなら、同じ部品を造る時でも、造るときは左手で押さえ、右手で殴る。
なので叩く面は必ずしも均一ではなく、右と左に若干の力加減が自然と生じる。
逆さにしてバランスを保とうとするが、三角形だと逆三角形になる。
持ち方が変わるので、これまたハンマーの力加減が微妙に変わる。

こうしてどちらか片方だけ寄る。
それをグルリと4面造るので全体的に(時計回りに)歪む。
これは本当に難しいな。
今後の課題ね。;

P1090900_convert_20100402121658.jpg


↓下から見たところ。
綺麗な楕円になっていれば良いかな。
気に入らなければ、できる限り修正しよう!
とりあえず外形はこれで終了。♡
P1090901_convert_20100402121721.jpg





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マクシミリアン1世

Author:マクシミリアン1世

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